日常生活や仕事で感情的に怒ってしまうと、問題がこじれたり怒った自分の方が損したりすることがあります。なるべく怒らないようにするには、6秒待つこと、怒りのハードルを上げること、この2つが大事です。
なぜ、怒りそうになった時に6秒待つといいのか? 怒りのハードルを上げるのはどういうことか? 怒りで損をしたくない人、怒りっぽい自分を変えたい人はぜひ読んでください。
怒りは6秒経つとピークが過ぎる
怒りの感情は脳の扁桃体(へんとうたい)という場所で発生するそうです。扁桃体は感情を司っているのですが、扁桃体が興奮状態になると怒りが爆発し、言葉や行動で怒りをぶちまけようとします。
しかし、扁桃体が興奮状態になると、理性を司る前頭葉(ぜんとうよう)が働きだし、扁桃体を抑制してくれます。
普段、怒りを感じても我慢できるのは前頭葉が扁桃体を暴走しないようにしてくれているからです。前頭葉が抑制できないほど扁桃体が興奮状態になると、人は感情のままに怒りをぶちまけてしまいます。
では、前頭葉が扁桃体を抑制するまでにどれくらいの時間がかかるのでしょうか?
前頭葉が扁桃体を抑制するまでには6秒ほどかかると言われています。
怒りを感じた瞬間はまだ前頭葉が扁桃体を抑制できていないため、突発的に怒りを吐き出したいという感情に襲われます。扁桃体が暴走している状態では冷静な判断ができず、取り返しのつかない行動をしてしまいかねません。
ここからが肝心なのですが、
怒りを感じてから6秒経過すると前頭葉が扁桃体をなだめてくれるので、怒りのピークが過ぎて落ち着いて考えらえるようになります。
怒りを感じて衝動的に行動してしまいそうになった時は、6秒こらえるようにしてください。6秒経っても怒りの感情は残っているものの、興奮状態が鎮静化されているので、ピーク時と比べて思考が冷静になります。
たった6秒、たった6秒の間、怒りを我慢するだけで、その後の行動が全然違ってくるでしょう。怒りのピークに達した時の感情と、ピークが過ぎた時の感情は全く違うものになっています。
つまり、6秒前の自分と6秒後の自分は違うのです。
怒りを感じて暴言を吐いたり手を出したりしそうになった時は、まず深呼吸をしてください。
ゆっくり深呼吸を1回すれば6秒が過ぎ、怒りのピークが過ぎていきます。怒りを感じたら空を見上げて深呼吸すると、相手の顔を見ずに済むので怒りをやり過ごせるでしょう。
瞬間的に深呼吸を忘れてしまう時は、グッと歯を食いしばるのも怒りをやり過ごす方法です。歯を食いしばれば口が開かないので暴言を吐くのを食い止められます。その代わりに手が出てしまってはダメですが…。
歯を食いしばりすぎると歯に良くないので、あまりおすすめはしません。
大事なことなのでもう一度言います。
怒りを感じたらとりあえず6秒我慢する
これを意識するだけで全然違います。
怒りのハードルを上げる
もうひとつの「怒りのハードルを上げる」という方法。これは感情に任せて怒りを爆発させないように、普段から意識しておきたいことです。
人それぞれ怒りが爆発するハードルが違うもの。怒りのハードルが低いと些細なことでも怒りのピークに達し、感情的に怒りをぶちまけてしまいます。
怒りのハードルを上げておくと怒りのピークに達しにくくなり、些細なことで怒らずに済みます。
沸点が高いか低いかという言葉に置き換えても構いません。
怒りで感情が爆発しそうになったら、
心の中で「怒りのハードルを上げる」と唱えてください。
そう考えることで今まで怒りを爆発させていた出来事も我慢できるようになり、それを繰り返すうちに徐々に怒りのハードルが上がっていきます。
頭の中で怒りのハードルをグググっと引き上げるイメージをしてみてください。そうイメージしている間に6秒経つので、怒りのピークが過ぎます。
実際、私は怒りのハードルを上げるように心がけてから、些細なことでイライラしなくなりました。以前なら怒りを感じていたことも大したことないと思えるようになったので、ストレスが減ったと言えるでしょう。
怒りのピークである6秒をやり過ごすためにも、怒りそうになったら頭の中で怒りのハードルを上げるイメージをするように心がけています。
まとめ
ただ怒りを我慢しろと言われるより、「6秒我慢すれば怒りのピークが過ぎる」と言われた方が我慢できますよね。たった6秒でいいんですから、難しいことは何もありません。
その6秒が人生を分けると考えれば、6秒なんてほんの一瞬です。
怒る時も必要ですが、興奮状態で怒るのと冷静な思考で怒るのでは全然違います。怒りを感じたら、6秒やり過ごすこと。
そして、普段から怒りのピークに達しないように怒りのハードルを上げること。
この2つを心がけていれば、感情に任せて怒りを爆発させることは減るでしょう。