本稿は、リライトに関する疑問を解決する記事です。
ライターの案件を受注したり、ブログを書いていたりすると、「リライト」という言葉をよく目にする機会が多くなると思います。ライターやブログ初心者は、「リライト」が何なのか、または、どのレベルの書き直しを「リライト」と呼ぶのかと、疑問に感じている方は多いことでしょう。
本記事では、「リライト」の定義がわからない方、「リライト」のやり方がわからない方に向けて説明をします。ライター業やアフィリエイトをするのであれば、「リライト」は避けて通れない作業なので、言葉の意味だけでなく、パクリとの違いなどを正しく理解しておきましょう。
- リライトは記事内容を書き換えたり、追記をしたりすること
- 単語・語尾・語順を入れ替えただけの単純な書き直しはリライトではない
【目次】
リライトとは「文章を書き直すこと」
「リライト(Rewrite)」は、「書き直す」や「書き換える」という意味の単語です。「Re(再び)」+「Write(書く)」で構成されている単語で、「元の文章を書き直す」という意味があります。
では、以下の場合、どちらがリライトと呼ぶのでしょうか?
- 1:【他人が】書いた文章を書き直すこと
- 2:【自分が】書いた文章を書き直すこと
実は、どちらも「リライト」の定義としては正しく、【他人が】書いた文章を書き直すのも、【自分が】書いた文章を書き直すのもリライトです。
内容を書き換えるだけでなく、情報を追加することもリライトと呼びます。元の文章を書き直した上で、元の文章にはない情報を書き加えるのもリライトの役割です。
他人が書いた文章をリライトする場合は、単に書き換えるだけの場合が多いですが、自分のサイトやブログの記事をリライトする場合、情報を加えることが多々あります。ブロガーやアフィリエイターが言うリライトは、だいたい後者の意味ですね。
- リライトは自分の書いた文章、または他人が書いた文章を書き直すこと
- 内容を書き直すことだけでなく、情報を追加するのもリライト
リライトをする目的
リライトをする大きな目的は、以下の2つです。
- 記事の質を高めること
- 記事に新しい価値を与えること
「読みにくい記事を読みやすくする」「間違った情報を正しく修正する」「足りない情報を新しく書き加える」といったことをリライトで行うことにより、記事の質と価値を高めます。
リライトによって達成したいことは記事によって異なりますが、以下の4つが主です。
- 1:わかりにくい文章をわかりやすく書き直す
- 2:ニーズに合わせた文章に書き直す
- 3:検索順位を上げるために書き直す
- 4:新しい記事として投稿する
「1」と「2」の場合は、元の文章の価値を高めることが目的のリライトです。専門用語が多くてわかりにくい記事を、わかりやすい言葉に置き換えてリライトしたり、読者のターゲット層を変えるためにリライトしたりします。
「3」の場合は、検索順位が低い、または上位表示を狙えそうな記事をリライトすることにより、順位を上げるのが目的です。ライターの仕事として依頼されることもありますが、主に自分のサイトの記事の順位を上げたい時に行います。
「4」の場合は、ライターの案件にあるパターンで、クライアントが指定した記事をリライトし、新しい記事として投稿するのが目的です。クライアントが保有するサイトの記事のリライトが多いですが、他のサイトの記事をリライトする場合は内容によってはパクリ記事になりかねないので、注意しなければなりません。
リライトとパクリ、引用との違いは次項で解説します。
リライトとパクリ(盗用)の違い
【他人が】書いた文章をリライトする場合、パクリ(盗用)にならないよう気をつけてください。
以下のような単純は書き直しは、リライトと呼びません。
- 単語を入れ替えただけ → ×
- 語尾を入れ替えただけ → ×
- 語順を入れ替えただけ → ×
以下の例は、リライトではなくパクリです。
昨日、ヤンキーに絡まれた時、筋肉ムキムキのお兄さんが助けてくれた。
昨日、ヤンキーに絡まれたのですが、筋肉ムキムキのお兄さんが助けてくれました。
このように、語尾を替えただけの文はリライトと呼びません。パクリです。
たとえば、これを以下のように書き直したらリライトとなります。
昨日の出来事なのですが、ヤンキーに絡まれてしまったんです…。どうしようかと困っていると、見るからにマッチョなお兄さんが現れて、私をピンチから救い出してくれました。
同じ内容の話でも、このように書き手によって表現の仕方は変わります。例文が短い文章なので難しいですが、事実を変えず、言い回しや表現を変えて別の文章に書き換えるのがリライトです。
- 単語・語尾・語順を入れ替えただけではリライトと呼ばない
- 元の文章とほぼ変わらない書き直しはパクリになるので注意
記事のパクリがダメな理由
「なぜ記事のパクリがダメなのか?」をあえて説明する必要はないと思いますが、ネット上に公開されている記事は執筆した人の著作物なので、コピペしたり、ほぼそのままの内容で流用するのは記事の盗用になります。
そもそも、人の記事をパクるのはモラルとしてダメですよね。
SEOの観点から述べると、検索エンジンはパクリ記事は見抜くので、盗用するとサイトの評価が下がります。内容ではなく、構成のパクリを盗用とするかは判断が難しいところですが。
ただし、検索エンジンもまだ完璧ではないので、パクリ記事やNAVERのような引用で構成されている記事が、オリジナルである自分の記事より上位に来ることはあります。リライトはしているけども、明らかに自分の記事を参考に書かれた記事もありますが、SEOの世界ではそうしたことは日常茶飯事です。
ユーザーにとって役立つオリジナルの記事を書いていれば、Googleはちゃんと評価してくれます。
もし自分の記事が明らかにコピペでパクられているなら、Googleに「著作権侵害による削除」を申請してパクリ記事を削除してもらうという手もあります。
記事のパクリと引用の違い
記事のパクリと「引用」は違います。「引用」は自分の記事の中で、他の人が書いた文章を参考や論拠として使用することです。
他のサイトの記事を、自分の記事に「引用」する場合、最低でも以下の2つを守らなければなりません。
- 引用元を明記すること
- 自分の書いた文章が【主】で、引用した文章が【従】であること
また、引用元の文章が【主】になっている記事もルールに適していません。この点で言えば、引用が基本のNAVERがまかり通っているのは、おかしな話です。
※NAVERは2020年9月30日にサービス終了となります。
リライトではあまり引用は使いませんが、元の文章を論拠として取り入れるのであれば、引用のルールに沿って掲載しましょう。
- 引用元を明記せず、他人の書いた文章を自分の記事に掲載するとパクリになる
- 引用の要件を満たしていないと著作権侵害になることも
効果的なリライトのやり方
単にリライトするだけでは、記事の価値を高めることはできません。リライトをする際は、以下の点を意識しましょう。
1:まずリライトする目的を考える
リライトは既存の記事に新しい価値を与えるのが目的です。元の文章を別の表現に置き換えただけでは、リライトの意味がありません。
元の記事がわかりにくいからリライトする、検索順位を上げるためにリライトする、読者のターゲット層を変えるためにリライトするなど、目的を先ず考えましょう。
元の記事の内容がわかりにくい場合、何が読みやすさを妨げているのかを考えてみてください。「専門用語が多い」「言い回しがくどい」「主語がどこにかかっているのかわかりにくい」といった箇所があれば、そこを意識するだけでリライトを進めやすくなります。
検索順位を上げるためのリライトであれば、先ずは上位表示されている記事を読んで、元の文章に足りない要素を調べてみましょう。この作業はリライトではなく追記になりますが、手直しをするという意味ではリライトにあたります。
2:専門用語をわかりやすい言葉に置き換える
専門用語は書いている本人は意味をわかっていますが、すべての読者がその言葉の意味を知っているわけではありません。専門用語をわかりやすい言葉に置き換えるのも、リライトの大事な役割です。
もしくは、注釈で専門用語の意味を解説するというリライトの仕方もあります。
たとえば、SEOに関する記事であれば、SEOという言葉を避けて書くよりは、何を意味するのかを記事中で説明した方が親切です。「SEO(検索エンジン最適化)」といったように、括弧で意味を説明するという書き方もできます。
大事なのは、読者が理解しやすい言葉を使ってリライトすることです。専門家が書いた記事や、特定のテーマに特化した記事の場合、専門用語がわかりやすさを妨げていることが多いので、そうした記事をわかりやすい言葉で書き直すのであれば、リライトする価値は上がります。
3:書いてある内容を再検証する
元の文章に書いてあることが間違っていることもあります。リライトをする際は、書いてある内容を再検証し、正しい情報を書くようにしましょう。
元の文章が古い場合、情報自体が古くて、現在の情報とは違っていることもあります。古い情報を修正したり、新しい情報を書き加えたりするのもリライトの役割です。
間違った文章をリライトしても意味がありませんし、価値も上がりません。どこまで掘り下げて再検証するかは難しいところですが、リライトで情報を修正することで記事の価値が上がります。
リライト案件を受ける際の注意点
クラウドソーシングやフリーランス求人サイトでは、記事をリライトする案件があります。リライトは元の文章があるので書きやすいのですが、注意が必要です。
というのも、リライトは意外と時間がかかりますし、単価が低いので稼ぐのには向いていません。上述したように、単語や語尾、語順を入れ替えただけではリライトにならないですし、元の文章と重複しないように表現や言い回しを変えたり、情報を再検証したりすると、けっこう時間がかかってしまうのですよね。
リライトはライター初心者が受けやすい案件ではありますし、ライティングの練習にもなるのですが、時給単価は決して高くありません。私もライターになりたての頃にリライトの案件を受けていましたが、慣れていないこともあって予想以上に時間がかかってしまいました。
また、5年くらい前であれば、言い回しや表現を変えただけのリライトでもSEO的に通用しましたが、今は検索エンジンの性能が上がっているため、内容が重複している記事は評価されません。リライト案件の内容にもよりますが、追記が必要になったりするので、効率良く稼げる案件というわけではありません。
ライターとして経験を積んだ後は、リライト案件ではなく、オリジナルの記事を書く単価の高い案件を探していきましょう。
リライトの案件の種類
リライトの案件で、「自社の記事を書き直してほしい」というケースもあります。オウンドメディアはライティングの知識がないWeb担当者が書くこともありますし、外注した記事がこの内容でいいのかと不安に感じている企業も多いようです。
記事を読ませてもらうと、同じ語尾が続いている、一文が長く主語と述語のねじれが起こっている、改行が少なく読みにくい、といったケースがよく見受けられます。
また、オウンドメディアのSEOコンサルやディレクションの依頼があったとき、既存の記事を書き直しするケースもあります。これも結構多いケースです。SEO的に書き直しが必要なケースもあります。
最後に
リライトは、元の文章を書き直して新しい価値を与えることが目的です。住宅にたとえるなら、修正するだけのリフォームではなく、付加価値を与えるリノベーションが近いと言えるでしょう(逆にわかりにくいですかね…)
読みやすい文章にリライトすることも十分に価値があるので、最低限の基準として、読者が理解しやすいように書き直すことを意識しましょう。他の記事のリライトをする際は、パクリにならないように注意してくださいね。
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