フリーランスになるのは簡単だが、無策で生き残れるほど甘くない【実体験からの忠言】

フリーランスは甘くない

フリーランスになること自体は簡単です。開業すれば誰でもフリーランスを名乗れますし、稼げていなくてもフリーランスであり続けることはできます。

しかし、何の戦略も何の勝算もなしに生き残れるほど甘くないです。フリーランスは自由に働けるのが魅力ですが、厳しい現実を知っておかないと、開業しても失敗するだけでしょう。

このサイトでは、フリーランスになりたい人を後押ししていますが、同時にフリーランスという生き方を選ぶ厳しさ、甘くない世界であることも正直にお話ししています。厳しさも知った上で、会社員を続けるか、独立して自分の力で稼ぐ道を選ぶか、よく考えて決断してくださいね。

フリーランスは甘くないという現実

フリーランスは甘くないというのは、競争の世界であるからです。フリーランスは己の力で仕事を勝ち取り、かつ継続して仕事を受注しなければなりません

今はクラウドソーシングやフリーランス向けの求人サイトが増えているので、営業をしなくても仕事を探せますが、そこでも他のフリーランスとの受注競争に勝たなければならないので、経験やスキルが浅いと、高単価の案件を勝ち取るのは難しいです。

低単価の案件ならいくらでもありますが、それではいつまで経っても稼げるようにはなりません。稼げるようになる前にフリーランスを辞めてしまう方も多いので、甘くない世界だなと感じます

それに、収入がある状況に安心してスキルアップや勉強を怠ると、他のフリーランスに仕事をとられてしまうかもしれません。経験とスキルがあれば安定して収入を得ることは可能ですが、優秀なフリーランスとて、油断すれば仕事が大幅に減ってしまいます。

私は、「フリーランスは甘くない」という現実を何度も体験してきました。業界(SEO業界)の変動の影響で仕事が大幅に減ったこともありますし、スランプに陥って仕事が遅々として進まず、依頼が減ったこともあります。

スランプに関しては自己責任ですが、私のような在宅フリーランスは、基本的に一人で仕事をしているので、悩みも問題も一人で解決しなければならず、相談できる相手もいないため、行き詰まったときになかなか解決策を見つけるのが難しいのです。

会社であれば上司なり同僚に相談できますし、仮にスランプに陥って仕事に支障が出ても給料はもらえますが、フリーランスがそうなると収入に大きく影響します。

「早くスランプから脱出せねば…」と焦るものの、どうすればいいのか、自分ではわからなくなってしまいます。自己管理ができてないのがひとつの原因なのでしょうけれど、客観的に自分の問題点を指摘してくれる人が周りにいないと、自分では気付けないものです。

自己管理の難しさ。それもフリーランは甘くないと感じる理由のひとつです。

最低でもひとつスキルがないと仕事はとれない

フリーランスになって経験を積むことでスキルは増えていきますが、何もスキルがない状態から稼げるほど甘くないです。

「会社に行くのが嫌だから仕事をやめる。フリーランスなら自由に働けるからやってみよう」と、甘い考えで脱サラしようと思っているなら、全力で静止します。

会社なら嫌でも仕事がありますが、フリーランスになったら自分で仕事をとってこなければならないので、スキルがないと仕事をとるのは正直厳しいです、未経験の人に高単価の仕事をくれるほど甘くないです。

クライアント側からすればスキルがない人に仕事を依頼しようとは思いませんし、フリーランスはたくさんいるのですからわざわざノースキルの人を選ぶリスクをとることはありません。そのことを理解していないと、フリーランスになっても厳しい現実が待っているだけです。

クラウドソーシングには未経験でも応募可能な案件はたくさんありますし、データ入力や口コミ、アプリレビューなどのタスク案件ならスキルがなくても報酬を得られますが、簡単なタスクをいくらやっても稼げるようにはなりません。低単価の仕事しか受注できないと、「フリーランスで稼ぐのは甘くない…」と痛感するでしょう。

フリーランスで生計を立てるならプロジェクト案件で経験を積みながら高単価の案件を狙っていき、ゆくゆくは個別に依頼してくれるクライアントを探して割のいい仕事を探すのが現実的な戦略です。

※クラウドソーシングを介して出会ったクライアントと、直接仕事のやり取りをするのは禁止されているので注意してください。

フリーランスから会社員に戻るのは難しい

「フリーランスになって失敗したら会社員に戻ればいい」と、甘い考えで開業するのは危険です。フリーランスになったらもう会社員に戻らない覚悟を決めないと、中途半端になってしまいます。

会社員からフリーランスになったものの、生計を立てられずに会社員に戻る。これ自体はできなくはないですし、転職活動ではフリーランス経験を武器にアピールすることもできますが、問題はそこではありません。

一度フリーランスという自由な働き方を覚えると、会社員に戻るのは気持ち的に難しいです。定時に出社して定時に退社するという働き方が嫌でフリーランスになったのなら、なおさら会社員に戻るのは難しいでしょう。

なぜなら、人は一度手にしたものを手放すのに覚悟がいるからです。フリーランスという自由な働き方を経験してしまうと、それを手放したくないという気持ちが強くなって、なかなか会社員に戻ることができません。

そういう意味で、フリーランスから会社員に戻るのは、「甘くない」と感じます。

私もそのタイプで、フリーランスという働き方に慣れてしまった今、もう会社員に戻ることはできないでしょう。開業した時から、会社員に戻らない覚悟でいますが、フリーランスを経験するとその気持がより強くなりました。

本当に食えなくなったら転職先を死ぬ気で探せばいいのですが、甘い考えでフリーランスになって中途半端な結果に終わるだけです。

ノースキルからフリーランスになるには、自分の”得意なこと”を分析する

現時点でスキルがなくても、フリーランスを目指すのであれば今からスキルを身につければいいのです。何も最初からトップレベルのスキルが必要というわけではありません。

ノースキルの状態からフリーランスを目指すのであれば、まずは自分は何が得意なのかを自己分析してみてください。まだスキルと言えるほどでもなくていいので、人から褒められたこと、時間を気にせず集中できること、学生時代に成績が良かった科目など、なんでも構いません。

その上で、自分の得意なことと、その職種で求められるスキルを合致させるのです。そうすることで仕事で使えるスキルが見えてきます。

一口にフリーランスと言っても得意なことは人それぞれなので、これなら他の人に負けないというスキルを持てばいいのです。案件も自分のそのスキルを活かせるものを中心に探せばいいのですから。

私の場合、何でも時短したい性格であるため、誰よりも早く記事を書けるように執筆速度を高めることにしたのです。それ以外にもSEOの勉強もしましたが、納品の早さを武器に仕事をどんどんこなして稼げるようになりました。

仕事の早さはどの職種でも通用するので、ひたすら作業スピードを高めるのもひとつの戦略です。もちろん質を維持することが前提なので、基礎を身につけた上での話ですが。

このように、フリーランスで生計を立てるのであれば少なくとも1つは武器になるスキルが必要です。ノースキルでは正直厳しいですが、1つでも武器があれば戦略を立てる余地があります。

このサイトでは武器を1つ作ることを勧めていて、私も開業前にこれだという武器を作ってからフリーランスという世界に飛び込みました。スキルが少なかったので開業してから苦労した時期もありましたが、1つスキルがあるのと何もスキルがないのとではスタートが全然違います。

ひとつ武器があればフリーランスになれる
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フリーランスを目指すなら、狙う案件に合わせて勉強する

フリーランスとして独立するために必要な勉強量は、受注したい案件に合わせると効率がいいです。

まずはクラウドソーシングやフリーランス向け案件紹介サイトに登録して、どんな案件があるかざっとご覧になってみてください。単価や難易度、求められるスキルは案件によって異なるので、勉強すればできそうな案件を探してピックアップしていくのです。

そのようにして案件をチェックしていくと、その職種における案件レベルの違いがわかってきます。高単価の案件は未経験者にはハードルが高いので、中級者レベルまでの案件を中心にするとよいでしょう。

狙う案件レベルが定まれば、必要な勉強量がわかってきます。

受験勉強や資格取得のための勉強と同じで、闇雲に勉強するのは非効率ですよね? 最短の時間で合格するにはまず過去問を見て出題傾向を分析し、勉強する範囲を絞ることから始めるのが一番です。

フリーランスになるために必要な勉強量や勉強範囲は、案件を分析することで見えてきます。その他のスキルや知識は開業してから必要に応じて習得すればいいので、まずは狙っている案件で必要となる知識を中心に勉強していきましょう。

未経験からフリーランスのWebライターになった私の場合、単価のいいリフォーム系の案件を最初に狙うことに決め、それに必要な知識を勉強して習得しました。

それに加えて上述した執筆速度の早さというスキルを武器にすることにより、未経験スタートでもすぐに生計を立てられるほどの収入を得られるようになったのです。

クラウドソーシングはたくさんありますが、おすすめのサービスをご紹介しておきます。

クラウドワークス」は超定番のクラウドソーシングです。案件を分析するならまずはこちらから。

無料でクラウドワークスに登録する
おすすめポイント未経験者OKの案件あり、200種類以上の仕事カテゴリー、仕事依頼数 約238万件
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副業からフリーランスを目指すのは現実的な方法

フリーランスの仕事に使えるスキルがないのであれば、会社員を続けながら副業でスキルと経験を積んでから開業するという道もあります。ノースキルで開業するよりもよっぽど現実的です。

会社の規定で副業が禁止されている場合は難しいですが、可能であれば副業からトライしてみましょう。

副業スタートのよいところは、その仕事が自分に合っているかを事前に確認できる点です。脱サラしてフリーランスになってみたものの、仕事が自分に合っていないと辛いですし、そうなるとなんのために独立して自由な働き方を選んだのかわからなくなります。

それに、独立前に仕事を探す難しさを体験しておくと、甘い考えをしなくなるでしょう。開業してからフリーランスの厳しさを知るよりも、副業で身をもって知ることも大事です。

特に現段階でフリーランスになれるだけのスキルがない方は、副業から始めることをおすすめします。まずは副業できるだけの知識とスキルを身につけ、自分にできそうな案件を探してみてください。

会社員は安定した収入があるのですから、わざわざノースキルで無収入になるリスクをとる必要はありません。

副業をしてみて生計が立てられる算段がついたなら、その時にフリーランスとして独立することを考えればいいのです。

運良く早い段階でいいクライアントに出会えましたが、そうでなければ低収入で生活に苦労していたことでしょう。

私の場合は退職してからフリーランスになろうと決意しました。しかし、収入の不安が大きかったので、在職中に副業を始めてからフリーランスになればよかったと後悔しています。

この記事を読んでくださっているあなたにはそんな後悔をしてほしくないので、副業で試してからフリーランスになることをおすすめします。

フリーランスは書類1枚でなれる

ここまで読んで、それでもフリーランスになりたいと思った方に、開業の仕方を解説します。

実は、開業すること、フリーランスになること自体は難しくありません。ぶっちゃけて言うと、書類1枚提出すれば誰でもフリーランスになれます。

フリーランスは個人事業主の働き方のひとつで、職業の区分として個人事業主があり、その中でクライアントと案件ごとに契約を結んで業務を請け負う人をフリーランスと呼びます。フリーランスという職種があるわけではなく、個人事業主のひとつの働き方がフリーランスというわけです。

個人事業主になるのはとても簡単で、税務署に「開業届」という1枚の書類を提出するだけで手続きは完了します。

厳密には青色申告をするために「青色申告承認申請書」も一緒に提出しておいたほうがいいのですが、白色申告でいいのなら「開業届」のみの提出で構いません。

特に審査があるわけではないですし、書類に不備がなければ税務署から連絡が来ることもありません。「開業届」を提出すれば晴れてフリーランスです。

「開業届」と「青色申告承認申請書」の書き方は以下の記事で詳しく解説しています。

開業届の書き方
【画像で解説】開業届と青色申告承認申請書の書き方、簡単にできる個人事業主(フリーランス)の開業の仕方結論から述べると、個人事業主(フリーランス)の開業手続きはものっっっすごく簡単です。「開業届」と「青色申告承認申請書」を税務署に提出すれ...

節税をするなら青色申告の方が圧倒的に有利です。白色申告との違いはこちらの記事で解説。

白色申告と青色申告の違い
青色申告と白色申告の違いを比較解説!節税をするなら青色申告が断然有利! 本記事では、こういった疑問にお答えします。 フリーランス(個人事業主)の確定申告の方法は青色申告と白色申告の2種類がありま...

最後に

甘い考えではフリーランスの世界では生き残れません。ノースキルで脱サラしようと考えているのならやめておきましょう。

しかし、私はフリーランスという働き方を選んで後悔していません。フリーランスは甘くないと身をもって感じていますが、仕事がある限りは続けるつもりです。

フリーランスは甘くないとわかっていれば、それなりの対処もできますしね。フリーランスという働き方は甘くない、ということを肝に銘じておくことが大事です。

フリーランスという働き方は収入にリスクはありますが、戦略次第で未経験でも十分に勝負できます。ですので、もしフリーランスになりたいのであれば、まずは必要な知識とスキルを身につけ、副業から始めてみてください。

ABOUT ME
ケンタトニック(旧モジャー)
コンテンツSEOに強いフリーランスのWebディレクター/Webライター、フリー歴10年。 ディレクション受注実績:出版社、営業ツール、音楽スクール等のオウンドメディア運用・改善。
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