フリーランスが感じるであろう確定申告に関する疑問13点の答えを分かりやすく解説

確定申告に関する素朴な疑問

開業して初めての確定申告は戸惑うことばかり。そこでフリーランスが感じるであろう確定申告に関する疑問点をまとめてみました。

事業用の銀行口座は必要なのか?
帳簿や領収書は提出するのか?
家賃や光熱費は経費に計上できるのか?

といった疑問から、白色申告書、青色申告書の違いなどを解説しています。確定申告の参考にどうぞ。

1:事業用の銀行口座は必要なの?

あれば便利ですが、個人用の口座と一緒でも問題はありません。生活費を口座から出す場合は、「事業主貸」の項目で帳簿付けします。

反対に生活費から事業用に補充する場合は「事業主借」を使います。

ただ、個人用と事業用を一緒の口座にすると管理が煩雑になってしまいます。帳簿付けする際に個人用と事業用の入金・出金を分ける面倒さがありますし、事業用の入出金が管理しにくくなります。できれば口座は個人用と事業用で分けることをおすすめします。

事業主貸と事業主借の使い分けは以下の記事で詳しく解説しています。

【図解あり】事業主貸と事業主借の使い分けを解説:個人事業主(フリーランス)なら覚えておきたい勘定科目

2:帳簿は税務署に提出しなければいけないの?

白色申告書でも青色申告書でも基本的に帳簿は提出しなくて大丈夫です。帳簿は税務署から要求された場合のみ提出します。

不自然なお金の入出金があったり高額な出費があった場合など、税務署が「怪しいな~」と思った場合は要求されることがあります。

個人事業主の帳簿の保管期間は7年間となっています。青色申告も白色申告も最低7年間は保存しておかなければなりません。

帳簿は紙での保存が基本となるので、会計ソフトを使って帳簿している場合はプリントアウトして保管しておきましょう。

理由は電子データだと改ざんの恐れがあるからなのですが、実際は税務調査が入った時にプリントアウトする人が多いようです。

3:領収書は提出するの?

領収書も基本は提出しません。税務署から要求があれば提出します。

個人事業主が青色申告した場合の領収書の保管期間は7年間となっています。
(前々年分の所得が300万円以下の場合、または白色申告の場合は5年間)

領収書の保存も基本は紙ベースですが、平成27年度の税制改正でスキャナ保存の要件が緩和され、金額に関わらず全ての領収書のスキャン保存が可能となりました。また、改正前には必要だった電子署名が改正後は不要となっています。

ただし、領収書をスキャナ保存に切り替えるには、3ヶ月前の日までに所轄税務署への申請書提出が必要です。

参考:[手続名]国税関係書類の電磁的記録によるスキャナ保存の承認申請 / 国税庁

4:色申告書は誰でも提出できるの?

個人事業主が青色申告書で確定申告するには、事前に税務署へ開業届と青色申告申請承認書を提出しておく必要があります。

青色申告申請承認書は開業届を出さないと提出できないので、開業する際はセットで提出してください。いずれの書類も提出していない場合は、白色申告書での提出になります。

参考:[手続名]所得税の青色申告承認申請手続 / 国税庁

5:青色申告申請承認書はいつまでに提出するの?

「青色申告申請承認書」の提出期限は、開業してから2ヶ月以内となっています。

私は開業届を提出する際に一緒に届け出ました。「青色申告申請承認書」の日付は、2ヶ月という期限を遡って開業日を設定しました。

どういうことかと言うと、「開業届」を提出したのは8月1日でしたが、開業した日付を2ヶ月前にして提出したのです。「開業届」にある「開廃業日」に6月2日と記入し、「青色申告申請承認書」にある「業務を開始した日」を書く欄にも6月2日と記入しました。これでその年は6月2日から経費を計上できることになります。

※税務署の人に聞いてそのように書いたのですが、所轄税務署によって対応が違う場合もあるので書類を提出する際に聞いてみてください。

6:白色申告書で経費は計上できるの?

白色申告書でも経費は計上でき、収支内訳書で経費を計上することになります。ただし、青色申告書の方が節税面で大きなメリットがあります。

例えば、青色申告書なら30万円未満の固定資産を一括で経費に計上できますが、白色申告書は10万円以上の固定資産は経費に計上できないため減価償却で経費計上する必要が生じます。
青色申告書では最大65万円の特別控除が受けられますが、白色申告書には特別控除がありません。

ある程度所得があるならば青色申告書で申請した方が税金を安くできるでしょう。

7:白色申告書に記帳義務はあるの?

白色申告書にも記帳義務はあります。以前は事業所得が300万円を超えた場合のみ記帳が必要でしたが、2014年(平成26年)1月から所得金額に関わらず記帳が必須となりました。

改正以前は事業所得が300万円以下の場合は記帳が免除されるのが白色申告のメリットでしたが、改正によってほぼ白色申告のメリットがなくなったと言えます。どうせ記帳するなら最大65万円の控除が受けられる青色申告の方が断然得です。

8:白色申告書は事前の届出が必要なの?

白色申告書は事前の届出なしでも提出できます。青色申告の場合は「青色申告承認申請書」の提出が必要ですが、白色申告には特に提出書類はありません。

むしろ「青色申告承認申請書」を提出しなければ自動で白色申告になってしまうので、青色申告を希望するなら必ず書類を提出しておきましょう。

9:簡易簿記と複式簿記はどっちがいいの?

簡易簿記は青色申告特別控除の額が最大10万円なのに対し、複式簿記は最大65万円となっています。ですので、節税するなら複式簿記の方が断然有利です。

複式簿記の方が手間はかかりますが、最大65万円の控除が受けられるのでそれだけの価値はあります。

簡易簿記か複式簿記かは「青色申告承認申請書」で選択します。申請書で選択した方式で記帳しなければならないので、最大65万円の控除を受けたい方は複式簿記を選択しましょう。

「青色申告承認申請書」の書き方は以下の記事で詳しく解説しています。

【画像で解説】開業届と青色申告承認申請書の書き方、簡単にできる個人事業主(フリーランス)の開業の仕方

10:家賃や光熱費は経費に計上できるの?

在宅で仕事をしている場合、家賃、光熱費、通信費は経費に計上できます。

ただし、自宅兼事務所の場合、事業用として使った割合分を按分(あんぶん)する必要があります。

つまり、事業用途分だけ経費にできるということです。

家賃6万円、1日の仕事時間が8時間である場合の按分方法を例に解説します。

この場合、仕事時間は1日の3分の1なので、6万円の3割=1.8万円を経費として計上します。残りの7割(4.2万円)は生活費としての家賃なので経費に計上できません。

光熱費と通信費も同様に、事業用として使った分だけ按分します。仕事で使っているサーバー代やWebサービス代は全額経費にしています。

11:結局、白色申告書と青色申告書どっちがいいの?

青色申告のメリットは最大65万円の控除を受けられるだけではありません。

青色申告には最大3年間の赤字(損失)繰越ができる「損失申告」というも特典があります。

赤字が発生した場合、翌年以降で黒字になった年の所得から赤字分を差し引くことができます。

白色申告でも変動所得や被災事業用資金の損失なら繰越できますが、範囲が限定的です。青色申告にはそうした制限がありません。

以前は白色申告に記帳義務がありませんでしたが、今は青色でも白色でも記帳しなければならないため、白色申告を選ぶメリットがほとんどなくなってしまいました。複式簿記で帳簿付けするのは手間がかかりますが、青色申告は最大65万円の控除と最大3年間の赤字(損失)繰越を受けられるという大きなメリットがあります。

節税をするなら青色申告の方が断然有利です。初めての確定申告は戸惑うことが多いと思いますが、個人事業主の所得ならそれほどややこしい項目はないので慣れれば自分でもできます。

12:オークションの利益も申告する必要があるの?

オークションで得た利益の確定申告についてはいくつかパターンがあります。

まず生活で使用する家具、什器、衣服類などの生活用動産をオークションで売っても課税対象にはなりません。(30万円を超える貴金属類や美術、骨董品などは課税対象)

それ以外の物を売った場合は課税対象になります。

サラリーマンなど給与所得者の場合、年間20万円以下なら申告の必要はありません。副収入として20万円以上利益が出た場合は申告の義務があります。専業主婦、無職の場合は38万円以下なら申告の必要はありません。

個人事業主の場合、オークションは雑収入となるので申告は必要です。転売を目的として商品を仕入れオークションで販売した場合は事業所得とみなされます。

ただし、オークションにかかった出品手数料や配送料、通信費は差し引くことができますので、経費として計上しておきます。

※オークションの収入はバレないと思いがちですが、最近はインターネット取引の監視が強化されているのでちゃんと申告しておきましょう。

13:医療費控除の金額は?交通費は含まれるの?

医療費控除は医療費の一年の総額が10万円以上であった場合に受けられます。

本人だけでなく、生計をともにする家族の医療費も対象となりますので、家族分をまとめて計上することもできます。

医療費控除にはいくつか注意点があります。

1.医療費・医薬品購入費の明細書を添付する
以前は医療費の領収書の添付が必要でしたが、2018年1月1日以降、領収書の添付は不要になります。その代わり、医療費の明細書、または医薬品購入費の明細書の添付が必要となるので注意してください。

2.予防目的の医療費は控除の対象外
医療費控除は治療目的の医療費に限定されていて、予防目的・美容目的の医療費は控除の対象外となっています。インフルエンザの予防注射は予防目的になるため、医療費控除に含めることはできません。

風邪を治すための風邪薬は控除対象ですが、ビタミン剤などの病気予防や健康増進のための医薬品購入費は控除対象外です。歯科治療の場合、虫歯治療や治療目的の歯列矯正は控除の対象となりますが、美容目的の歯列矯正は対象外となります。

3.通院にかかった交通費(通院費)も医療費に含めることができる
通院時に支払った交通費も医療費控除の対象となります。家族の通院の付き添いで支払った交通費も控除に含まれます。

電車、バスなどは領収書がとれないので、医療費控除の明細書に交通費を書いておきます。交通費は領収書がないので忘れてしまいがちですが、計上しないと損をするので必ず計上しておきたいですね。
※ICカード乗車券の場合、チャージ金額でなく、実際に使用した分のみ交通費として計上できます。

医療費控除の対象となる医療費については、国税庁のホームページに掲載されています。

参考:No.1122 医療費控除の対象となる医療費 / 国税庁

まとめ

確定申告では帳簿や領収書を提出する必要はありませんが、記帳は青色申告でも白色申告でも義務となっていますし、税務調査が入った時に必要となるのでしっかり管理しておきましょう。

報酬の振込先を個人用口座を指定されている方は少なくないと思いますが、事業とプライベートの口座を一緒にするとお金の管理が煩雑になるので、事業用口座を作ることをおすすめします。

執筆:モジャイダー






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