個人事業主が経費として落とせる費用の項目一覧 & 経費にできない項目一覧

経費-一覧

個人事業主になると自分で確定申告をすることになりますが、どこまで経費として計上すればいいのかよく分からないですよね。当然ですが経費として認められない費用を計上してはいけないですし、最悪の場合は脱税とみなされて税務調査が入るかもしれません。

そうした事態にならないように、個人事業主が経費として落とせる費用と経費にできない費用をしっかり覚えておきましょう。経費になる費用とならない費用を一覧としてまとめたので、ぜひ参考にしてください。

個人事業主が経費として落とせる費用の項目

基本的に事業に関する出費であれば経費として計上できます。

地代家賃(自宅/事務所)

仕事用に事務所を借りている場合、賃料は全額経費として落とせます。賃貸事務所やレンタルオフィスだけでなく、シェアオフィスやコワーキングスペースの利用料も経費の対象です。

では、自宅で仕事をしている場合はどうなのでしょうか?

自宅を事務所兼用としている場合、事業で使用した分だけ経費にできます。自宅兼事務所を全額経費にしてしまうとプライベートでの使用分まで経費になってしまうため、事業とプライベートでの使用を分けて考えなければなりません。

ではどうするかというと、作業スペースの専有面積や作業時間に応じて按分(あんぶん)をします。按分は2つ以上のものを数量に比例して割り振ることで、個人事業主の簿記ではよく使う言葉です。

たとえば、自宅を「作業スペース3」「プライベート7」で分けている場合、家賃の3割を経費として計上します。残り7割は事業に関係ないスペースなので経費にはできません。

ワンルームで仕事をされている方は専有面積では分けにくいですよね。その場合は作業時間で按分してください。

ひと月30日)として、一日の作業時間が8時間で5日労働である場合、一週間の作業時間は8時間 × 5日 × 4週間 = 160時間ですね。24時間 × 30日 = 720時間、これを作業時間で割ると4.5割になります。作業時間は変動すると思うので、だいたい地代家賃の4割を経費として落とせば問題ないでしょう。

私はワンルームで仕事をしているため作業時間で按分しています。

電気代(水道光熱費)

電気代も経費になります。事務所の場合は全額経費に落として構いません。

自宅兼事務所の場合は、地代家賃と同じく業務での使用分に応じて按分してください。

電気代は地代家賃と違って専有面積で按分できませんが、電気代は作業時間と比例するため地代家賃の割合を一緒にしておくと計算しやすいです。在宅で仕事をしている個人事業主(フリーランス)が業務で使う電気代は主にパソコンなので、地代家賃と同じ割合にしておけば問題ないでしょう。

水道光熱費にはガス代や水道代も含まれますが、個人事業主の場合は経費に計上できないことが多いです。工芸品の制作などでガスや水を大量に使うのであれば別ですが、基本的に業務では使用しないので経費には計上できません。

通信費

プロバイダの利用料金や事業用の携帯電話・スマホの料金も経費にできます。切手代や送料も通信費の一部です。

インターネットはプライベートでも使用するため、プロバイダの利用料金は地代家賃や電気代と同じように作業時間で按分するとよいでしょう。

携帯電話・スマホ代は、事業専用で使っていれば全額経費にできます。プライベートと兼用で使用している場合は、使用時間で按分してください。

プライベートでも使っているのに全額を経費にしてはいけません。事業での使用時間に応じて按分しましょう。

交通費(旅費交通費)

仕事用の事務所に行く時、クライアントや取引先との打ち合わせ場所に行く時などに交通機関を利用した場合、交通費として経費に計上できます。

領収書があれば他の経費と同じに処理し、領収書がない場合は出金伝票に日付と乗車区間を記しておきましょう。

「Suica」や「ICOCA」といったICカードを利用した場合、経費にできるのはチャージ(入金)した金額ではなく、実際に乗車して運賃が引き落とされた時です。

宿泊を伴う出張費用も旅費交通費として計上します。ホテル代などの宿泊費は経費にできますが、出張先での個人的な観光やお土産の購入代金は経費になりません。

出張先での駐車場代(コインパーキング代)も旅費交通費として計上します。

ガソリン代(燃料費)

業務で車を使用した場合、ガソリン代を経費として落とすことができます。

自家用車を業務に使う場合はガソリン代を按分してください。細かく分けるのは難しいのでざっくりで構いません。

ガソリン代の勘定科目は旅費交通費に含めても構いませんが、「燃料費」の科目を作っておくと交通費と区別しやすいです。

消耗品費

消耗品費は、使用すると消耗して価値がなくなる物を経費にする科目です。

消耗品の定義は、「取得金額が10万円未満の消耗品、または使用可能期間が1年未満の消耗品」となっています。

たとえば鉛筆やボールペン、消しゴムは使うと減っていきますし、プリンタのインクカートリッジも使うとなくなるので消耗品です。取得金額が10万円以上の物や1年以上使用可能な物は後ほど解説する事務用品費や備品費として計上します。

事務用品費

事務用品費は、文房具や事務用品を経費に計上するための勘定科目です。

鉛筆やボールペン、消しゴムは消耗品ですが、事務用品費として計上することもできます。メモ帳や伝票、コピー代といった用品の他、10万円以下のパソコンのキーボードやマウスも事務用品費になります。

消耗品費と事務用品費の使い分けですが、正直言うとこれはどちらでも構いません。金額が10万円以下であれば消耗品費でも事務用品費でもどちらでも好きな方で計上してください。

備品費

備品費は10万円以上20万円未満の物を経費に計上するための勘定科目です。10万円以上20万円未満の備品費は一括償却資産にあたり、全額費用にするか3年で均等に減価償却します。

20万円以上30万円未満の物は減価償却資産になるため定額法・定率法による減価償却が必要です。個人事業主や中小企業(従業員の数が常時1,000人以下)の場合、「少額減価償却資産の特例」を利用すれば全額経費にできます。

30万円以上は固定資産になるので、取得金額に注意してください。

新聞図書費(書籍代・参考書代)

仕事のために購入した書籍や参考書は経費にできます。勘定科目は書籍も参考書、新聞、雑誌などを含めて「新聞図書費」を使ってください。

電子書籍も経費になります。勘定科目は同じく「新聞図書費」です。

外注費

外部の業者や個人事業主(フリーランス)にうアウトソーシングした場合は「外注費」として計上します。

外注費は給与とは異なり、雇用関係がない相手に費用を支払った場合に使う勘定科目です。外注費は税務調査でチェックされやすい項目なので、脱税にならないように注意してください。

外注費は基本的に所得税の源泉徴収は不要ですが、支払う相手が個人事業主で外注費の項目が原稿料・講演料・デザイン報酬である場合、源泉徴収が必要となります。

源泉徴収が必要な報酬・料金の詳細は国税庁のWebサイトで確認してください。

参考:No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは – 国税庁

租税公課

「租税公課」は事業に関わる税金を支払った時に使用する勘定科目です。

租税:国税や地方税
公課:公的な課金(国や公共団体などに対する交付金や公共サービスなどに支払う手数料)

【「租税公課」の対象となる税金・課金】

・個人事業税
・固定資産税
・不動産取得税
・償却資産税
・登録免許税
・印紙税
・自動車税
・自動車取得税
・印鑑証明書
・住民票の発行手数料
・商工会や商工会議所など会費や同業者組合などの組合費

後ほどまた解説しますが、「租税公課」は所得税や住民税など個人としての自分(事業主ではない自分)にかかる税金は対象外です。

【「租税公課」の対象とならない税金・課金】

・所得税
・住民税(都道府県民税、市町村民税)
・相続税
・国税の延滞税、加算税
・地方税の延滞金・加算金
・交通違反の罰金

※経費にできない税金や課金は「事業主貸」として処理します。「事業主貸」の使い方は以下の記事で詳しく解説。

【図解あり】事業主貸と事業主借の使い分けを解説:個人事業主(フリーランス)なら覚えておきたい勘定科目

雑費

『雑費」は上記のいずれにも当てはまらない費用を計上するための勘定科目です。

たとえば来客用にカップを購入したり、開業祝いに花を贈ったりした時など、どの勘定科目にあたるか不明な時に「雑費」を使います。

「雑費」に関して特に制限はありませんが、不自然に金額が多いと税務署に指摘されるかもしれないので使いすぎに注意しましょう。

経費にできない項目

基本的に個人的な出費や税金に関しては経費にすることはできません。

スーツ・ビジネスシューズ

プライベートでも着用できる衣服や靴は経費として認められません。ただし作業着など業務での使用目的が明確な衣服は「消耗品費」として計上できます。

難しいのはスーツやビジネスシューズで、仕事のためにスーツを買ったとしても経費として認められる可能性は低いでしょう。プライベートで一切着用していないことが証明するのが難しいため、簿記ではスーツを経費にしないのが常識です。

ビジネスシューズの場合も同じで、プライベートの区別がつきにくいため経費として認められません。安全靴やナースシューズなど業務目的が明確であれば別ですが、基本的に靴も経費にできないと考えておきましょう。

所得税、住民税

所得税や住民税は経費として計上できません。上述したように個人事業税や定資産税など事業にかかる税金・課金は経費にできます。

国民年金・国民健康保険

国民年金と国民健康保険も経費にはできません。ただし、確定申告で所得控除として申告できます。

生命保険や地震保険料も同じで経費にはなりませんが、所得控除の対象となるので確定申告の書類に記載して節税をしましょう。

健康診断費

法人であれば従業員の健康診断費を経費にできますが、個人事業主の場合は経費にできません。

個人事業主の健康診断はプライベートの費用と判断されるため、経費としては認められないのです。でも個人事業主やフリーランスは毎年健康診断は受けておいたほうがいいですね。

ただし、健康保険料は確定申告で控除できます。

執筆:モジャイダー






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