私は突出した才能を持っているわけでもなく、多くの人から慕われるほどの人格者でもありません。仕事にしても、私くらいのレベルなら代わりはいくらでもいます。
でも、「自分の代わりはいくらでもいる。だけど誰かがやるのと自分がやるのとでは結果が異なる」と思うのです。特にフリーランスという働き方では、それが非常に重要な意味を持ってきます。
自分の代わりはいくらでもいると悩んでいる方は、少し角度を変えて考えてみてください。
【目次】
仕事で代わりのきかない人なんて、ほとんどいない
国宝級の技を持っている職人、カリスマ的な経営者、人を感動させる作品を生み出すアーティストなど、特別な才能を持った人の代わりはいませんが、代わりの人がいない仕事なんてほとんどありません。
自分がいなくなっても、誰かが代わりにその席に座るでしょう。ほとんどの人がそうです、私だってそう。もしかしたら、いま自分がしている仕事は、前に誰かが担当していた仕事かもしれません。
家族や恋人、友達にとっての特別ではあるけれど、世の中にとって特別な人はそう多くありません。歴史に名を残したいという野望を抱いているのでないのなら、そのことを悲観することはないでしょう。誰かにとっての特別であるなら、世の中なんて大したことありません。
話が少しそれましたが、たいていの仕事は誰かが代わりにできます。もし世の中が、代わりにできる人がいない仕事ばかりであったなら、社会は回らなくなります。
会社では特定の人しかできない仕事は作るべきではありません。責任者や担当者が休みでも代わりに誰かが対応できるようにマニュアル化しておくべきですし、多くの会社がそうしているでしょう。
仕事のスピードやクオリティ、センスに個人差はあれど、誰かが代わりにできない仕事なんてほとんどありません。私のやっている仕事だって誰かが代わりにできるものです。
しかし、誰かがやるのと自分でやるのとでは結果が異なる
ここまでは少々悲観的な意見を述べましたが、ここからはポジティブな考えを述べます。
「仕事で代わりのきかない人なんてほとんどいない」と書きましたが、誰かがやるのと自分でやるのとでは結果は異なります。自分がその仕事をやらなくても誰かが代わりにやってくれるでしょうけれど、仕事のスピード、丁寧さ、クオリティなど、結果が異なるなら悲観することはありません。
仕事の出来に個性差があります。仕事が丁寧な人・雑な人・速い人・遅い人・高いレベルで仕上げる人・合格ラインギリギリで仕上げる人など、個人の能力によって差が出ます。
では、自分がどのレベル、どれくらいのクオリティで仕事ができるのか?それを自分で理解することが大事です。
自分に特別な才能はない。代わりはいる。でも自分がやれば高いクオリティで仕上げられる、という自負を持つことが仕事のレベルを高めます。
その仕事ができる人が大勢いても、依頼する側が求める結果を出せる人が選ばれます。仕事を依頼する側は、丁寧でも仕事が遅い人、仕事が速くても雑な人よりも、丁寧で仕事が速い人に頼みたいと思うでしょう。フリーランスは、それが仕事量として顕著に表れます。
もし、あなたが自分の代わりはいくらでもいると悩んでいるのなら、それは誰だって同じです。芸術に関しては話が別になりますが、自分の代わりなんてほんとにいくらでもいます。でも誰かがやるのと自分がやるのとでは結果が異なる、だから自分がやるのです。
スポーツの世界を例に考えてみる
スポーツの世界ではそれが顕著です。世界最速の足を持つボルトくらいのレベルになれば確かに代わりはいません。誰もその速さで走れないのですから。
でも、競争の激しいスポーツの世界では、結果が伴わないとすぐに誰かが自分に代わってその席に座ります。
サッカーの世界をみてみると、クリスティアーノ・ロナウドやメッシくらいのレベルになるとそうそう代わりはいませんが、彼らがいなくてもチームは成り立ちます。彼らがいないことで戦術は変わってくるでしょうけれど、彼らがいなければ試合ができないなんてことはないですよね。
でも、彼らがいるのといないのとでは結果が異なる、だから必要とされる。
仕事も同じです。
確かに代わりはいるけれど、その人に頼むことで得られる結果がある。
だからその人に仕事をお願いしたくなる。
そう考えれば代わりがいる・いないで悩むのはバカバカしくなってきませんか?
確かにあなたの代わりはいます。でも、あなたにしか出せない結果があるはずです。それを求めてくれる人がいるならば、その人にとってあなたは特別な存在になります。
世の中のほとんどの仕事が代わりがきくのですから、そのことに悩んでいても仕方がありません。それよりも、その仕事でどのような結果を出せるかを自分で理解することが大事です。
フリーランスは”代わりが見つかりにくい、希少な存在”になるべき
フリーランスとして働き続けるためには、”代わりが見つかりにくい、希少な存在“になるべきだと私は考えています。
「代わりに頼めるフリーランスは他にいる。しかし、このクオリティ、このスピードで仕上げてくれるフリーランスはなかなかいない」、そうクライアントに思わせる存在になれば継続して仕事を依頼してもらえるでしょう。
代わりのいない、オンリーワンになる必要はありません。なろうと思ってもそうなれるものではないですし、そうなれない自分に苛立ちを感じることでしょう。
それよりも、代わりはいても仕事を頼みたくなる希少な存在であればいいのです。
依頼したいと思わせるフリーランスになる
もし今、私が担当している案件を辞退したら、クライアントは他のライターに依頼するでしょう。私の体験談を除き、私しか書けない記事なんてほとんどないのですから。
正直、私は少し高めの単価でお仕事をいただいているので、節約しようと思えばクライアントはもっと安くで引き受けてくれるライターを探すでしょう。でも長いこと継続して依頼してもらっています。
それは私が、クライアントの意向に沿った記事を納品できているからだと自負しています。そうでなければ、とっくに依頼は打ち切られているでしょう。
ライターとしての経験が浅かった頃は単発で終わった案件も多かったので、クライアントの意向に沿えていなかった、または期待値以上の記事を書けていなかったのだと思います。そうした経験を活かすため、自分なりにいろいろ勉強をし、スキルを磨きました。
そのおかげで安定して依頼をしらもえるようになったので、クライアントにとって継続して依頼したくなるレベルのフリーランスになったのだと自己分析しています。
きっといまでもオンリーワンにはなれていないでしょう。でも私がその仕事をやるのと、誰かがその仕事をやるのとでは結果が異なります。代わりはいても、私の仕事が生み出す結果を求めて依頼してくださるクライアントがいるのです。
多くの仕事はそうやって回っているのではないかと思います。特に外注は一人の人しかできない仕事だと回らないですから、クライアントは設定したレベルを満たしつつ希望する結果を出せる人に継続して仕事を依頼します。
あなたの代わりはいくらでもいるかもしれませんが、クライアントに依頼したいと思わせるフリーランスを目指してくださいね。
最後に:自分の仕事の結果でクライアントが利益を得る
私よりも文章がうまいライターなんてたくさんいますし、自分に特別な文才があるとも思っていないので、自信をなくしそうな時もあります。「自分の代わりはいくらでもいる」と考えると不安に襲われますが、それはあまり意味のない悩みだと思うようにしています。
だって、実際に自分の代わりなんていくらでもいますし、そうでなければ仕事は回らないのですから、そこは悩むところではないですよね。
私はフリーランスとして働き続けるために、クライアントの利益になる仕事をするよう常に心がけています。クライアントは私に依頼することで利益が得られないならば他のフリーランスに仕事を頼むでしょう。
自分の仕事の結果でクライアントが利益を得る。
ビジネスなので当たり前のことですが、フリーランスは特に意識しておかなければならないことです。
代わりがいる・いないで悩むだけ時間がもったいないので、それよりも仕事のクオリティを高めてクライアントの利益になる結果を出せるように努力するべきです。