フリーランスの働き方を一から解説:5つの働き方と収入(源泉徴収)について

フリーランスの働き方

フリーランスに興味があるけれど、一体どういう働き方をしているのだろう?と疑問を持たれている方は多いのではないでしょうか。会社員と働き方が違うのは分かるけど、具体的な働き方が分からない、といった方のために、フリーランスの働き方を一から解説します。

フリーランスの働き方は大きく分けると5つ。それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説していきます。収入と源泉徴収についても解説しているので、最後までお読みいただけると嬉しいです。

フリーランスの5つの働き方

自宅で仕事をする(在宅ワーク)

自宅で仕事ができるのはフリーランスという働き方の大きな魅力です。出勤する必要はないため、起きて着替えてそのまま自宅で仕事ができます。

交通費はかかりませんし、朝の通勤のストレスに煩わされることもありません。宅配の荷物だっていつでも受け取れます。

私も開業して以来、在宅フリーランスとして仕事をしてきました。名目上は自宅兼オフィスですが自宅でクライアントと会議をすることもないので、特に外向けのオフィスとしては機能していません。開業届には自宅の住所を記載しています。

在宅ワークのもう1つのいいところは、自宅家賃の一部を経費にできることです。

使用した割合で分けること「按分(あんぶん)」と言います。按分はフリーランスの簿記でよく使うので覚えておいてください。

家賃を私用分と仕事分で按分するわけですが、基準は専有面積か時間かになります。

私はワンルームに住んでいて専有面積で計算するのは難しいため、作業時間で按分しています。

一日約8時間が作業目安なので、家賃の3分の1を経費として計上。自宅家賃が48,000円なので、一ヶ月あたり16,000円が経費になります。一年で192,000円経費にできるので、かなり大きな節税です。

在宅ワークのデメリットは3つあります。

  • 仕事とプライベートのメリハリをつけにくい
  • 運動不足になる
  • 打ち合わせがしにくい

出勤するという行為はそれ自体が意識の切り替えになるため、やる気がなくとも仕事モードのスイッチが入ります。ところが自宅で仕事をする場合、出勤という行為がなくて楽な分、意識して仕事モードのスイッチを入れないといけません。スイッチが入らないままだとダラダラして一日が終わってしまいますし、集中力を欠いてミスが増えてしまいます。

また、出勤のために歩くことで多少なりとも運動になりますが、在宅ワークはそれがないので運動不足に陥りがちです。ずっと家にこもりっぱなしだと外に出るのが面倒になり、運動不足になってしまうでしょう。

私はもともと動くのがそんなに好きではないことも運動不足に輪をかけていて、がっつり運動不足になっています。これではいかんとスタンディングワークを始めたり、ワンダーコアスマートを買って筋トレをしたり、なんとか自宅で運動不足を解消できるよう努力している最中です。

自宅兼オフィスの場合、クライアントや顧客と打ち合わせがしにくいのもデメリットになります。ワンルームだと打ち合わせスペースを作るのは難しいので、カフェや貸会議室を利用することになるでしょう。

ただ、頻繁に打ち合わせをする職種でない限り、それほど困ることはないと思います。Webライターの私の場合、打ち合わせはほとんどチャットで済まられるので在宅ワークで困ったことはありません。

私は関西在住でほとんどのクライアントは関東にオフィスを構えているあるため、そもそも直接会って打ち合わせすることはないので今ところは在宅ワークで問題ないです。

オフィスを借りて仕事をする

オフィスを借りて仕事をしているフリーランスの方もたくさんいらっしゃいます。按分して経費にする自宅兼オフィスと異なり、オフィスを借りた場合は事務所家賃を全額経費として落とせます。

フリーランスがオフィスを借りて仕事をするメリットは3つあります。

  • 仕事とプライベートを切り分けしやすい
  • 多少は運動不足解消になる
  • 打ち合わせがしやすい

オフィスを借りるメリットは、在宅ワークのデメリットの真逆です。在宅ワークでは仕事モードのスイッチが入りにくい人も、オフィスを借りれば強制的にスイッチを入れられます。

オフィスまで行くという面倒くささはあるものの、運動不足の解消にもなるでしょう。また、オフィスを持っていればクライアントや顧客との打ち合わせ場所に困りません。

オフィスを借りるデメリットは、初期費用と毎月の家賃の負担が増えることです。居住用賃貸よりもオフィスの方が保証金や敷金が高いため、それなりに初期費用がかかります。

オフィスの家賃を全額経費にできるとはいえ、自宅家賃に加えてオフィスの家賃も毎月払うのはかなり大変です。一等地にオフィスを構えるとなればかなりの負担になります。

ですので、最初は在宅ワークでスタートし、収入が伸びてきたタイミングでオフィスを借りた方がよいと思います。必ずしもオフィスが必要でないなら、最初は無理して借りる必要はありません。

レンタルオフィスで仕事をする

レンタルオフィスは、デスク、チェア、情報機器などオフィスワークに必要な環境が揃ったオフィスです。通常のオフィスよりも保証金の額が安いため、初期費用を抑えられます。会議室などの施設も利用できるため、仕事場兼会議スペースとして利用できます。

レンタルオフィスは一等地に所在していることが多く、低予算で立地のいい場所にオフィスを構えられるのもメリットのひとつです。

開業したてで資金に余裕がない時は、個人で一等地にオフィスを構えるよりレンタルオフィスを利用した方がよいかと思います。一等地は交通の便がよいため、クライアントや顧客に来てもらいやすいのもレンタルオフィスの良さです。

ただ、レンタルオフィスは初期費用が安い分、トータルでは割高になってしまう場合があります。受けたいサービスがオプションになっていると、月額利用料に加えて課金が発生するため費用がかさんでしまいます。月額利用料にどこまでサービスが含まれているのかを確認しておきましょう。

ノマドワーカーとして仕事をする

特定のオフィスを持たず、カフェ、シェアオフィス、コワーキングスペースなどを転々として仕事をするスタイルとノマドワークと呼びます。「ノマド(Nomad)」は「遊牧民」という意味で、仕事場所を固定せずにその時々で場所を変えながら働く人を指す呼称がノマドワーカーです。

最近は電源やWi-Fiが使えるカフェが多くなってきましたし、シェアオフィスやコワーキングスペースも増えてきたため、ノマドワークがしやすくなっていると言えるでしょう。IT系やWeb系のフリーランスなら、ノートパソコンとインターネット環境があればどこでも仕事ができます。

ノマドワークで働くメリットは、場所にとらわれない働き方ができることです。

自宅だと仕事とプライベートのメリハリがつけにくいですし、オフィスを借りると毎日代わり映えしない環境に飽き飽きしてくるでしょうし。ノマドワークなら仕事のメリハリをつけつつ、働き方をその日の気分で選ぶことで常にフレッシュな気持ちで仕事に取り組めます。

ただ、ノマドワークはセキュリティに不安があります。暗号化されていない無料Wi-Fiスポットを使うと、悪意のある攻撃者から盗み見・盗聴されるかもしれません。ノートパソコンを後ろから覗き見されたり、トイレに行っている間に盗まれたりする可能性もあるため、セキュリティ対策や防犯対策をしておかないと情報漏えいの被害に遭う恐れがあります。

客先常駐として仕事をする(フリーエンジニア)

フリーエンジニアの案件にも「客先常駐」があります。通常、フリーランスは自宅や自分のオフィスで仕事をしますが、客先常駐は契約先の企業に出向いて仕事をするという働き方です。そうした客先常駐として働くフリーランスを「常駐型フリーランス」と呼びます。

常駐型フリーランスとして働くメリットは以下の5つです。

  • 需要がある
  • 収入が安定する
  • 大手企業の案件に参画できる
  • さまざまな現場で経験を積める
  • 人脈が広がる

常駐案件は契約期間が決まっているため、収入が安定しやすいです。スキルアップや経験を積めるのもメリットで、仕事の幅を広げるためにも常駐案件にトライするのもよいかと思います。

その反面、フリーエンジニアが客先常駐にはこのようなデメリットがあります。

  • 場所と時間の制約を受ける
  • 常駐先に馴染めないと辛い
  • 社会保険を受けられない
  • 有給休暇がない

客先常駐は就業時間や就業場所の制約があるため、フリーランスという働き方が持つ場所と時間が自由というメリットがなくなってしまいます。それでいて会社員のような社会保険や労働保険、有給休暇がないため、フリーランスである意味があるのかと疑問が生じるでしょう。

人間関係の煩わしさから解放されたくてフリーランスになったのに、常駐先に馴染めず辛い思いをするとなんのためにフリーランスになったのか分かりません。

それでも常駐案件を受注したいなら、コーディネーターやエージェントのサポートを受けられるフリーエンジニア向け求人サイトを利用することをおすすめします。

フリーエンジニアが客先常駐の案件を探す場合、条件交渉が肝になります。交渉に慣れていないと不利な契約内容で働かざるを得なくなったり、常駐先とトラブルが起こったりするかもしれません。コーディネーターが担当についてくれる求人サイトなら、そうした交渉を行ってくれるので助かります。

たとえば、フリーエンジニア向けの求人サイト「レバテックフリーランス」はコーディネーターが案件探しや交渉、参画後のフォローもしてくれます。フリーランスは相談相手がいないのが悩みですが、コーディネーターが相談に乗ってくれるので安心です。

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フリーランスの仕事の探し方

仕事の探し方は大きく分けると4つあります。詳しくは別記事で解説していますので、そちらをご覧ください。

フリーランスの仕事の探し方:代表的な4つの探し方の特徴を解説

営業をしない仕事の探し方についても詳しく解説しています。

営業できなくたってフリーランスになれる。営業しない仕事探しの方法を解説

フリーランスの収入と源泉徴収について

会社員は毎月の給料から源泉徴収として所得税・復興特別所得税が差し引かれます。そして年末に行う年末調整で保険料控除などを申告することにより、会社員は自分で所得税の確定申告をせずに済むのです。

つまり、年末調整を行うことで払いすぎた税金が戻ってくるという仕組みになっています。

フリーランスにも源泉徴収はありますが、年末調整はありません。源泉徴収では経費や控除が差し引かれていないので、払いすぎた税金を取り戻すために確定申告をします。

毎年確定申告するのは面倒くさいですが、会社員では計上できない経費や青色申告による最大65万円の控除を受けられるため、フリーランスは節税面で大きなメリットがあります。

源泉徴収はフリーランス側が勝手に決められるものではなく、報酬を支払うクライアントが源泉徴収を行う義務があるかどうかによります。

最初は源泉徴収されていなくても、クライアントが税務署の指導を受けて途中から源泉徴収されるケースも。

源泉徴収されるかどうかは報酬の種類によります。原稿料や講演料、弁護士、公認会計士、司法書士など士業への報酬、プロスポーツ選手やモデルに支払う報酬、芸能人への報酬などが源泉徴収の対象となります。

ややこしいのはデザイン料とコーディング料です。

デザイン料は源泉徴収の対象ですが、コーディング料は対象外となっています。

コーディング込みの案件でもデザインとしての契約なら源泉徴収が必要です。反対にデザイン込みの案件でもコーディングとしての契約なら源泉徴収は不要。コーディングの案件で源泉徴収をされたくない場合は、事前に契約内容を確認しておく方がよいでしょう。

源泉徴収の税率

源泉徴収の税率(平成49年まで)は100万円以下は10.21%、100万円を越える部分は20.42%となっています。基本的に約10%が報酬から源泉徴収として差し引かれると考えておくとよいでしょう。

フリーランスの場合、報酬額から源泉徴収された額が支払われ、年末に「源泉徴収票」が届きます。その「源泉徴収票」がとても大事で、確定申告の際に書類と一緒に提出しなければなりません。

経費や控除を差し引いて所得税が払いすぎていた場合、払いすぎた税金が還付金として戻ってきます。アフィリエイト報酬は源泉徴収されないため、フリーランスの報酬から源泉徴収されていても所得税を払わなければならない場合もあるので注意してください。

最後に:フリーランスは自分で働き方を選べる

特定の働き方にこだわる必要はなく、収入や状況に応じて働き方を柔軟に変えられるのがフリーランスの良さです。最初は在宅ワークから始め、収入が安定してきたタイミングでオフィスを借りるのもいいでしょう。

コストを抑えて一等地にオフィスを構えたいなら、レンタルオフィスを借りるのもひとつの手段です。いずれにしても自分に合った働き方を選ぶのが一番で、会社員と違ってフリーランスはそれができます。毎日決まった時間に出勤する生活に疲れたなら、フリーランスになることを考えてみてはどうでしょう。

ABOUT ME
ケンタトニック(旧モジャー)
コンテンツSEOに強いフリーランスのWebディレクター/Webライター、フリー歴10年。 ディレクション受注実績:出版社、営業ツール、音楽スクール等のオウンドメディア運用・改善。
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