フリーランスという働き方に興味はあっても、リスクが気になって一歩を踏み出せない、という方は多いのではないでしょうか? 確かに、フリーランスにはリスクがありますし、会社員と違って様々な面で不安があるのは確かです。
しかし、リスクは未然に知っておけば防ぐことができますし、フリーランスという働き方にリスクを上回る魅力があればいいわけですよね。それに、終身雇用が保証されない現代では、会社員もいつ職を失うかわかりません。
私はフリーランスになってから8年目になりますが、フリーランスを止める気はありません。それは、リスクよりもフリーランスとして働くメリットが勝っているからです。
約8年のフリーランス経験で実際に感じたことを交えながら、フリーランスが陥るかもしれないリスクと回避するためにすべきことを書いていきます。リスクを見ないフリをするのではなく、リスクに直面した時のために対策を講じておくべきだと、私は声を大にして言いたい! という感じでさっそく見ていきましょう。
【目次】
リスク1:仕事がなくなる可能性
いまは仕事があるけれど、クライアントとの契約が終了したり、他のフリーランスに仕事を取られたりして仕事がなくなるリスクが常にあります。そう、常に。クライアントの事業縮小に伴って依頼が来なくなることも考えられます。
会社員ならたとえ窓際に追いやられても何かしらの仕事はありますが、フリーランスの場合は依頼が来なくなったらそれまで。仕事自体がなくなります。これは重大なリスク。
私もこれまでに契約が終了、またはクライアントがその事業事態を行わなくなったことで仕事が激減したことがあります。この時はまあヤバかったです。食いつなぐためにバイトしようかとも思いましたが、それではフリーランスになった意味がないので、案件を探しつつ、自分のスキルを高める努力をしました。
ちょうどSEO業界がコンテンツSEOに移行していた時期だったので、自分のブログでひたすら記事を書く練習をすることに。でもなかなかいい案件が見つからず、半年くらいは不安な日々を送っていました。
運良くいいクライアントと出会い、それが転機となって現在は安定して仕事をいただけるようになりました。ほんっとによかった。
フリーランスをやめようとは思わなかったですが、本気でバイトを始めることを考えていた時で、バイトをし始めたらライター業にかける時間が少なくなってフリーランスのWebライターとしての軸がブレていたかもしれません。
リスクを回避するためにしておくべきこと
仕事がなくなるリスクを回避するには、以下の2つをしておくべきだと思います。
・常にスキルアップを目指す
・複数のクライアントから仕事をもらう
現状に満足してスキルアップを怠ると、仕事がなくなった時に次の案件を探すのに苦労します。私は一度仕事が激減した時に、ライターとしてのスキルがまだまだ足りていないことを痛感しました。
仕事の激減を体験したことで常にスキルアップをするべきという意識が芽生え、うまくいっている時でも現状にあぐらをかかないように自分を戒めるようになりました。
フリーランスが仕事を失わないためには、常にスキルアップを目指すべきである
これは格言と言ってもいいのではないでしょうか。他のフリーランスの方も感じておられることだと思います。
2つ目の「複数のクライアントから仕事をもらう」という回避策についてですが、これはバランスが難しいところです。できればひとつのクライアントと末永くお付き合いしたいですが、依頼が来なくなった時のリスクに備えて複数のクライアントと契約を結んでおくべきだと思います。
かといって5社とか10社とかクライアントを増やしすぎるとスケジュール管理が難しくなりますし、急な案件に対応できなくなるので2社か3社がちょうどいいかもしれません。
私の場合、現在は2社からお仕事をいただいています。割合でいうと8対2です。
バランスだけみると偏っていますが、一番お世話になっているクライアントにはすごく良くしていただいていますし、貢献したいという気持ちがあるので現状ではこれがベターだと感じています。
前は3、4社からお仕事をもらっていましたが、1社からたくさんお仕事をいただけるようになったので、いまは2社からの依頼で生活ができています。ebライターの仕事は定期案件が多いので、ある程度の案件数があれば安定して収入が得ることも可能です。
リスク2:体調を崩して寝込むと収入が途絶える
フリーランスには体調を崩すと収入が途絶えるリスクがあります。会社なら自分が休んでも他の人が代わりに仕事をしてくれますが、フリーランスは自分が体調を崩して休むと仕事が完全にストップしてしまいます。
フリーランスに有給はありませんからね。
1日くらい休んでも問題ありませんが、1週間も2週間も寝込んでしまうとその間の収入が途絶えるので生活がかなり苦しくなります。体調不良で長く寝込んで納期に遅れたら、契約を打ち切られるかもしれません。
結婚していて夫婦共働きなら奥さんの収入に頼ることもできますが、奥さんが専業主婦であったり、結婚しておらず一人暮らしをしている場合は完っ全に収入が途絶えます。はい、私、花の独身、一人暮らしでございます。体調崩して仕事できなくなったらどうしようもありません。ぐへえ。
そう、フリーランスは自分が働けなくなれば収入が途絶えるので、体が資本なのです。在宅フリーランスは外に出る機会が減るので運動不足になりがちで、知らぬ間に体力が衰えていっています。外に出なくなったことで、もしかしたら風邪の免疫も弱くなっているかもしれません。
リスクを回避するためにしておくべきこと
これはもう健康管理に気をつけること、運動をすること、この2つしかありません。
フリーランスは昼夜が逆転しがちなので、夜はちゃんと寝て朝起きる生活をするべきです。6時とか7時とか、そんな早く起きなくてもいいので、”朝の時間内に起きる“ようにしましょう。
なんて偉そうに言うておりますが、かつての私は超夜型で完っ全に昼夜が逆転し、なんなら朝寝て夜起きる生活を送っていたこともありました。それで体調崩したりはしませんでしたが、不健康極まりないですよね。いまは朝起きる生活に戻したので大丈夫ですが、油断するとまた逆転する可能性大です。
運動もね、しないといけないと分かっているのですが、あまり体を動かすのが好きではないのでほとんど運動していません。これに関してはなーんのアドバイスもできません…。
ただ、外出した時はエスカレーターは使わずに階段を使うようにはしています。うん、それだけでは運動にならないのは分かっています…。
あと健康診断には毎年行くべきですね。サラリーマンなら会社の健康診断がありますが、フリーランスは自分で健康診断を受けに行かなければなりません。
えー、私はフリーランスになってから、健康診断を、一度も受けて、いま…せん…。そろそろ健康診断受けなきゃなあ。
リスク3:安い単価で仕事を受けざるをえない状況
フリーランスとして開業したてで仕事がないころは、相場より安い単価でも仕事を受けることはあるかと思います。開業したてのころは多少単価が単価が安くても仕方がありませんが、いっこうに単価が上がらず、安い単価の仕事を受け続けるのは辛いものです。
ある程度経験を積んでいけばたいていのフリーランスは単価が上がると思いますが、長くやっていても必ず単価が上がるという保証はありません。それに、単価が上がる前にフリーランスをやめてしまう方も多いようです。
私はほんとに運が良くて、開業してすぐ単価の高い仕事をいただくことができました。ただ、開業前でライターとして経験が浅かったころはかなり安い単価で仕事を受けていたのでしんどかったですね。
仕事があるだけありがたかったでしたし、経験を積むために単価の安い記事をひたすら書きまくりました。そのおかげか執筆速度がかなり上がり、短時間で記事を書けるスキルを身についたので頑張ってよかったです。
リスクを回避するためにしておくべきこと
私は自分の中で単価の最低ラインを決め、それに満たない仕事は引き受けないか単価を交渉するようにしています。
最低ラインはだんだん上がっていて、開業したてのころと比べると随分単価が高くなりました。
Webライターの仕事は1記事あたりいくらという世界なので、私は時給換算で考えています。長くやっているとその記事がどれくらいの時間で書けるのかだいたい分かるので、単価を見て時給換算してみてください。
たとえば、1記事の単価が2,000円で1時間で執筆できる内容だとしたら時給単価は2,000円ですよね。これが1時間半かかると時給単価は1,500円、2時間かかると1,000円まで下がります。
いくら質の高い記事を書けても執筆速度が遅いと時給単価が800円とか1,000円とかバイト並になってしまうので、それではちょっと生活が厳しくなりますよね。執筆速度が上がれば時給単価も上がるので、フリーランスのWebライターになりたい方は記事のクオリティだけでなく、執筆速度を上げるべきだと思います。
あるていどフリーランスとして経験を積んだら、どこかで安い単価の仕事を切るか、単価を交渉しないといけません。私の場合、単価を交渉する時はその記事を書くのに要する時間を説明し、その単価で執筆をするのは厳しいとうことを正直に相談します。真面目に仕事をしていれば、ほとんどのクライアントはあるていどの単価交渉には応じてくれると思います。
どれくらいフリーランスとして経験を積んでから単価交渉をするかは難しいところですが、自分の仕事を客観的に評価し、現在の単価では割に合わないと感じたら思い切って交渉してみるべきです。ただし、自分の仕事を過信して単価を高望みしすぎるのはダメですよ。
私はWebライターなので自分の職種の単価しか分かりませんが、どの職種であっても1案件にかかる時間を見積もっておくと単価を設定しやすいと思います。スキルが上がれば時給換算での単価が上がるので、単価を見直すために定期的に自分の仕事ぶりを棚卸してみてはどうでしょう。
アフィリエイトで副収入を得るのもリスクヘッジのひとつ。時間を見つけてアフィリエイトサイトを作っておけば、本業の収入が減ってもカバーできます。
リスク4:働きすぎでオーバーワークになる
仕事がなくなるかもしれないという不安から、何でもかんでも仕事を引き受けているとオーバーワークになるかもしれません。予定外のトラブルで時間をとられることもありますし、体調を崩してしまうこともあります。
フリーランスは自由に休みを決められるのがひとつのメリットですが、それゆえに休みなく働いてしまうことがあります。会社なら残業しても終電までに帰る方がほとんどだと思いますが、帰宅という概念のない在宅フリーランスの仕事時間はいわば無限です。
際限なく働いてオーバーワークになると、体力的にも精神的にも疲労して倒れてしまうかもしれません。
私も経験があるのですが、納期が超タイトな仕事を引き受けてしまい、一週間毎日16時間仕事をしたことがあります。たった一週間ですが、ご飯を食べたりお風呂を入ったりする以外はずっと仕事をしていたのでめちゃめちゃしんどかったです。
毎日栄養ドリンクを飲んでひいひい言いながら仕事をしました。いい経験になりましたが、こんなしんどい仕事をするためにフリーランスになったんじゃないなと思い、納期がタイト過ぎる仕事は量だけ引き受けることにしています。
リスクを回避するためにしておくべきこと
働きすぎでオーバーワークにならないために、以下の2つの回避策を考えてみましょう。
・仕事を選ぶ
・外注する
発注していただけるだけありがたいのですが、仕事を選ばないとキャパオーバーに陥ってしまいます。
自分が請け負える量を超えて仕事を受けると、ひとつひとつの仕事のクオリティが落ちるので単価が上がりにくいですし、体調を崩したり予定外のトラブルが起こったりして納期に遅れてしまう可能性が高くなります。
以前、月末にクライアントから緊急で執筆の依頼が来たことがあるのですが、まさにこのケースに当てはまります。話を伺ってみると、担当していたライターが体調を崩したため納期に間に合いそうにもなく、ほかのライターにお願いして回っているとのことでした。
月末で忙しかったのですが、普段お世話になっているので可能な範囲でお引き受けしました。私が書いたのは15記事ほどでしたが、全部で100記事ほど未着手だったようです。ほかのライターと分担して書いたので私の負担はそれほど大きくありませんでしたが、このように納期間際で担当していたライターが体調を崩すとクライアントに迷惑がかかります。
体調を崩されたライターさんの事情は分からないので安易に批判するべきではありませんが、納期ギリギリで執筆するつもりだったのかなとか、体調管理できているのかなとか考えてしまいます。
こういった事態はクライアントの信頼を裏切ることにもなるので、私も体調管理には気をつけなければと思います。
もうひとつの回避策ですが、一人で請け負いきれない量の仕事を抱えているなら外注を考えた方がいいかもしれません。クラウドソーシングで外注する方法もありますし、フリーランス仲間にお願いする方法もあります。
どこまで外注できるかは案件内容や契約内容によるのでよく確認しておかなければいけませんが、一人ではさばききれない仕事量を抱えているなら外注を考えてみましょう。
クラウドソーシングは開業したてのころは仕事を探す場として重宝しますし、経験を積んで外注できるくらいの余裕ができてきたら今度は仕事を請け負ってくれる方を探す場として利用できます。依頼する立場になるとクライアント視点で考えられるようになるので、外注を経験するのもフリーランスとしてのステップアップになります。
リスク5:報酬が支払われない
ほとんどのクライアントはきちんと報酬を支払ってくれますが、中には納品したにも関わらず報酬を支払ってくれないクライアントもいるようです。いくら請求をしても支払ってくれなかったり、クライアントが倒産して未払いになったりするケースがあります。
中には理不尽なクレームを付けて報酬の支払いを逃れようとするクライアントもいるようです。
もし報酬の未払いに遭遇してもフリーランスは後ろ盾がないゆえ、全て自分でなんとかしなければならないのが辛いところです。予定していた報酬が支払われないと生活が危うくなるので、このリスクはなんとしても回避しなければなりません。
私はこれまで報酬の未払いに遭遇したことはなく、しっかりと対応していただけているのでありがたいです。クライアントの手違いで多少振込が遅れたことはありますが、報酬に関してトラブルになったことはありません。
一度他の方の報酬が間違って振り込まれたことがありましたが、すぐ連絡して返金しました(もちろん手数料はクライアント負担で対応していただきました)。
リスクを回避するためにしておくべきこと
報酬未払いのリスクを回避するには、以下のことをしておくべきです。
・信用できる会社か調べてから契約する
・契約書の内容を漏れなく確認する
私は主に@SOHOというフリーランス向けの求人サイトで案件を探すのですが、信頼できそうな会社にしか応募しないようにしています。報酬が高くて魅力的な案件であっても、どこか不安に感じる点があれば応募を見送ります。
もちろん中には本当に高報酬の良心的な案件もありますが、報酬だけで判断すべきではありません。
信用できる会社と契約することになったら、契約書の内容を漏れなく確認しましょう。フリーランスに不利になる契約条項が盛り込まれていないかチェックし、不明な点があれば契約を交わす前にきちんと確認をとっておくべきです。
もし報酬の不払いに遭遇した時のために備え、メールやチャットなどやり取りをした記録はすべて残しておきましょう。
クライアントとの契約はビジネスですので、企業に属さないフリーランスだからといって遠慮することはありません。
しかし、中にはフリーランスをいいように使ってやろうという悪質な会社もありますので、そうした会社から依頼を受けないようにするのが一番の回避策です。
フリーランスとして開業したものの、なかなか仕事を得られないと焦って契約したくなる気持ちも分かりますが、仕事をもらっても報酬が支払われなければ意味がありません。どんな状況にあっても信用できる会社であるか見極めてから契約を交わすようにしましょう。
リスク6:座りっぱなしだと寿命が縮まる
座りっぱなしだと寿命が縮まるという話をよく耳にします。
参考記事1:「1日に6時間座っていると死のリスクが40%増大する」など、座りっぱなしのデスクワークがもたらす弊害と解決法
参考記事2:「長時間座ること」は死のリスクとは関係がないという研究結果が明らかに
タイトルだけ見ると「どっちやねん」とツッコみたくなりますが、2つ目の記事はリスクを下げるには「適度な運動」が必要だとしています。そらそうですよね、運動不足だと体に良くないですよね。
特に在宅フリーランスは長時間座りっぱなしで仕事をするので、これは気をつけなければなりません。いわば長時間座りっぱなしで仕事をしている在宅フリーランスは、寿命が縮まるかもしれないリスクを抱えていることになります。
嫌ですよね、せっかくストレスのないフリーランス生活をしているのに、座りっぱなしが原因で寿命縮まるなんて。ま、体動かせよ、運動せえよっちゅう話なんですが。
リスクを回避するためにしておくべきこと
運動しよう
以上。
いや、ウソです、以下のことをすればいいようです。
1時間に1度立つ
1日に30分体を動かす
参考記事:1日中座って過ごす危険性と、リスクを防ぐためのたった2つのこと
これくらいならできそうです。と言いつつ、仕事に集中していたら2時間も3時間も座りっぱなしで全然できていません…。意識して体を動かさないとね。
【追記】
あと、「スタンディングワーク(立って仕事をする)」という方法もあります。座りっぱなしによる健康リスクを防げますし、運動不足解消にもなります。立って仕事をした方が体を動かしやすいので、血流の停滞を防げるとのことです。
私もスタンディングワークを最近知って始めたのですが、すごくいいです!
座って仕事するより集中力が上がりますし、運動不足解消にもなっています。慢性的な背中痛に悩まされているのですが、立って仕事をしている時は背中が痛まないです。
運動不足だと最初はしんどいですが、徐々に慣れていきます。スタンディングワーク、おすすめです。
まとめ
6つのリスクは常にフリーランスにつきまといます。しかし、いずれのリスクも日頃から気をつけていれば回避できることなので、そう恐れることはありません。むしろフリーランスはいかにリスクを回避しつつ、自由な働き方を謳歌するかが醍醐味とも言えます。
私の一番の心配ごとは「座りっぱなしで寿命が縮まるリスク」です。こればっかりは寿命が来ないことには分からないので何とも言えませんが、ほとんど運動をしていないので健康に良くないのは間違いありません。
これから在宅フリーランスとして開業される方は、運動の習慣をつけておくことをおすすめします。仕事が忙しくなってきたらますます運動しなくなりますから。ほんとに。