フリーランスは仕事がなくなれば一気に無収入になります。楽して稼げるなんてことはなく、みな生き残るために必死で働いています。収入の流れを作ってしまえば楽になりますが、それまでに廃業してしまう人も多いです。
本記事では、経験者である私がフリーランスのリアルな現実をお話します。無収入になるリスクや不安はあるものの、それでもフリーランスという働き方を選ぶ人が本当にフリーランスに向いているのだと思います。甘い考えで失敗しないために、フリーランスの厳しさを知っておいてください。
※このサイトではできるだけフリーランスの良さを伝えていますが、良い面だけを語るつもりはありません。フリーランスの大変な面、苦労する面も含め、リアルな働き方を伝えられたらと思っています。
【目次】
フリーランスは無収入のリスクと背中合わせ
仕事がある時はいいのですが、契約が終了したり、定期案件が終了したりすると収入が減りますし、場合によっては収入がゼロになることも。
また、クライアントの信頼を損なうようなことをすれば次から仕事がこなくなり、収入がなくなってしまうかもしれません。きちんと仕事をこなしていても、クライアントの方針が変わったり、予算が厳しくなったりすることで依頼が来なくなることもあります。
フリーランスは無収入のリスクと常に背中合わせの状態で、来月から全く収入がなくなることもあり得ます。
クライアントの会社が倒産して報酬を支払ってもらえないなんてことも起こり得えるので、収入に対するリスクは会社員より高いです。
私はフリーランスになって3年目くらいに収入が激減して生活が窮地に陥ったことがありました。仕事はきっちりこなしていましたが、一番依頼数が多かったクライアントの状況が変わり、契約が打ち切りに。ちょうどSEOの大きな転換期であったため、その影響を受けてメインの仕事がなくなった感じです。
窮地に陥った原因は、ひとつのクライアントに収入を頼っていたこと、契約が打ち切りになった時に備えていなかったことでした。
ライターとアフィリエイトの2つの収入源を持ってリスク分散していますが、当時はアフィリエイトの収入が微々たるものだったのでほぼライターの仕事だけで生活していました。今もライターの収入の方が多いですが、もしライターの仕事が一時的になくなってもアフィリエイトがあるので収入はゼロにはなりません。
しかし、アフィリエイトとていつ検索順位が落ちて収入が激減するかわかりませんし、収入を維持するにはライターの仕事をしながらアフィリエイトにも時間を割かなければならないので楽ではないです。
よく初心者から数ヶ月で100万円以上稼いだという記事を見かけますが、アフィリエイトは競争の激しい世界なので楽して稼げるわけではありません。
稼いでいるアフィリエイターはコツコツ記事を更新し、アクセス解析や競合調査をして地道に努力しています。運もあるので簡単に稼げると思って舐めていたら痛い目に遭うでしょう。
アフィリエイトは成果が出るまでに時間がかかるため、それまでにやめてしまう人が多数です。楽に稼げると思っているならやめておいた方がいいでしょう。
フリーランスに有給休暇はない
フリーランスは会社員のように有給休暇はないので、体調を崩して休んでも収入の保障はありません。アフィリエイトは別として、休んだ日の収入はゼロになります。
有給休暇があるかないかは大きな違いで、フリーランスこそ体が資本です。
体調を崩して働けなくなった時のリスクを考えておかないと、働けなくなった時に大変なことになります。
フリーランスは自由に働く時間や働く日を決められるのが魅力ですが、それゆえに働きすぎて体調を崩してしまうことがあります。自分のキャパを超えた仕事量を抱えこむと休みたくても休めず、無理がたたって倒れてしまうかもしれません。
従業員を雇用したり外注したりせず一人で仕事をしているフリーランスは、自分が働けなくなると収入が途絶えてしまいます。
運動不足から体調を崩してしまうこともあります。フリーランスは体調管理も仕事のうちですので、働きすぎないよう仕事量をコントロールしなければなりません。
フリーランスは真っ先に経費削減の対象になる
フリーランスはクライアントと雇用関係にないため、真っ先に経費削減の対象になるでしょう。契約期間終わって更新がなければそれまでですし、ひとつの案件が収入して次の依頼が来なければ仕事がなくなります。
クライアントの立場になって考えてみると、自社の社員とフリーランスを秤にかけた場合、社員を優先するのは当然のことです。社員への給料の支払いをストップするわけにはいきませんが、フリーランスなら一旦依頼を中断すれば済みます。
そんなふうにフリーランスは都合よく使われることもあります。
しかし、これは雇用関係にない自由な働き方をするための代償とも言えるリスクであるため、当然起こり得ることとして対策を講じておけばいいだけの話です。複数の収入源を確保しておいたり、クライアントの業績をチェックして今後の推測を立てたり、リスクに備えることはできます。
フリーランスはシビアに結果を求められる
会社の場合はあるていど成長を見越して社員を雇用しますが、フリーランスの成長は待ってくれません。要求した仕事ができない、期待した結果を得られないなら、すぐに打ち切られてしまいます。
フリーランスはシビアに結果を求められるため、クライアントの要求に応じられるだけのスキルが必要となります。
しかし案件のレベルはピンからキリまであるので、自分の現在のスキルに応じた仕事を探し、地道に経験を積んでいけばいいのです。自分のレベルを大きく超えた案件だとクライアントの要望に応えるのは難しく、場合によっては依頼を完遂できないこともあります。
そうした事態に陥らないためにも現在の自分のレベルを客観的に分析することが必要です。スキルアップを目指すなら、今の自分の実力よりも少し上のレベルの仕事にチャレンジするといいでしょう。
他のフリーランスに仕事をとられることもある
自分が担当していた仕事を他のフリーランスにとられることもあります。他のフリーランスの方が安価で引き受けてくれる、他のフリーランスの方が同じ単価で質が高い仕事をしてくれる、といった状況になれば、乗り換えられてもおかしくありません。
クライアントもビジネスなので、よりコストパフォーマンスの良い方、より品質の高い仕事をしてくれる方に依頼したいと思うのは当然のことです。
付き合いもあるのでクライアントと信頼関係を築いていればそうそう他のフリーランスに乗り換えられることはありませんが、スキルアップを怠り、成長しないフリーランスはいずれ契約を打ち切られるでしょう。
社内ならライバルの存在や相手との差がよく分かりますが、フリーランスはライバルの存在が見えないため危機感を抱きにくいという欠点があります。
仕事をもらえている安心感にあぐらをかいていると、他のフリーランスに仕事を取られてしまうかもしれません。しかもそれは寝耳に水のように突然やってくるため、取られた時にはもう遅いのです。
見えないライバルを意識するのは難しいですが、今ある仕事がずっと続くとは思わず、常にスキルアップを目指さなければ生き残っていけません。
フリーランスの学びに終わりはない
他のフリーランスに仕事を取られないようにするには、常に学ばなければなりません。特にIT・Webの世界は技術がめまぐるしいスピードで発展しているため、情報収集や新しい技術の取得を怠るとあっという間に置いていかれてしまいます。
自分の腕ひとつで稼ぐフリーランスが生き残っていくには、現状の知識・スキルに満足せず、常に新しいことを取り入れることが大事です。
つまり、フリーランスの学びに終わりはなく、退職するまで学び続けなければなりません。
これだけ学べば安心という線引きはないため、貪欲に知識や技術を吸収できる人はフリーランスに向いています。反対に、積極的に新しいことを学ぶ意欲がない人はフリーランスには向いていません。
私はもともと勤勉な性格ではありませんでしたが、フリーランスになってからいろいろ学ぶようになりました。特に私のような他ジャンルの記事を書くWebライターは、知識の幅を広げておかないと稼げません。
勉強が好きなわけではないですが、仕事のためと考えると自然と学ぶ意欲が湧いてきます。フリーランスの知り合いはいないですし、誰に教えてもらえるわけでもないので“自分から学びにいく“しかありません。
フリーランス歴6年の私の経験から、どの職種であってもマーケティングの勉強はしておくべきだと考えています。
マーケティングの知識は商品やサービスの利用者を増やす上で欠かせないもので、それは自分自身が商品であるフリーランスにも通用します。
言わばフリーランスは自分の技術や知識をアピールしてクライアントに買ってもらう商売なので、他のフリーランサーではなく自分を選んでもらうためにマーケティングの知識を持っておいた方がいいです。
私はフリーランスになる前はマーケティングの知識は皆無でしたが、開業してから独学するようになりました。ペルソナマーケティング、ブルーオーシャン戦略、グロースハックあたりはしっかり学んでおくことをおすすめします。
成功も失敗も全て自分の責任
フリーランスは仕事で失敗したからといって、会社や上司がかばってくれるわけではありません。成功すれば自分の実力、失敗すれば全て自分の責任です。
自分の努力が結果に直結するのがフリーランスのやりがいですが、重くのしかかる責任に耐えなければやっていけません。
当然のことですが、依頼された仕事は最後まできっちりこなす責任があります。納期を守る、要件を守るといったことは当たり前で、その上でシビアに結果を求められるのがフリーランスです。
体調を崩しても誰かが代わってくれるわけではありませんし、キャパオーバーでも手伝ってくれる人がいなければ全部一人でやらなければなりません。
フリーランスは休んでも誰かがフォローしてくれる会社とは違うのです。
フリーランスは著作権について正しく理解しておくことも責任のひとつです。知的財産権侵害は知らなかったでは済まされませんし、そんなことをすればクライアントからの信頼を失います。著作権を侵害しないために、引用のルール、画像使用のルールは絶対に知っておかなければなりません。
また、SNSで炎上して悪いイメージがつくと仕事にも影響します。フリーランスこそネットリテラシーが重要で、SNSで著作権侵害をしたり、公開してはいけない情報をアップしたりすれば仕事がこなくなるどころか賠償金を請求されてもおかしくありません。
取り返しのつかない事態に陥らないように、著作権やネットリテラシーについて正しく学んでおきましょう。
それでもフリーランスという働き方を選ぶなら
ここまではフリーランスが抱えるリアルなリスクを書いてきました。
それを知ってもなおフリーランスという働き方を選ぶなら、もう覚悟は決まっているのでしょう。
あとはどうリスクを回避するか、どう収入のリスク分散をするかです。リスクに備えていれば必要以上に心配することはありません。持続して収入を得られるよう戦略を立て、それを自分の裁量で実行できるのがフリーランスのやりがいと言えます。
フリーランスは会社員ではできない自由な働き方ができるのですから、それを選ぶということはリスクも受け入れるということです。その覚悟ができないならフリーランスにならない方がいいでしょう。
会社員を辞めてフリーランスになるべきか迷っているのでしたら、こちらの記事を読んで現実的な問題と向き合うことをおすすめします。
いつまでも単価が低い仕事ばかりを請け負っていても生活は一向に楽になりませんし、低単価ゆえに作業時間が長く自由度が低い状況だとフリーランスになった意味が感じられないかもしれません。それを脱して高単価の案件を獲得できるようになるには努力だけでなく、戦略が必要です。
クライアントは何を求めているのか、どのスキルを磨けば仕事につながるのか、といったことを常に考え、実践できる人でないとフリーランスを続けていくのは難しいでしょう。
私もまだまだ磨くべきスキルがありますし、知識の幅を広げなければ今以上に稼ぐことはできないでしょう。他のフリーランスに仕事を取られてから慌てても遅いので、存在の見えないライバルに負けないように努力し続けなければなりません。
見えないライバルの存在を意識するために、競合のフリーランスをペルソナ設定するのもいいかもしれませんね。自分よりレベルが上のフリーランスをペルソナで作り上げ、その人に勝つための戦略を立てる、といった感じです。ペルソナに関しては、「ペルソナマーケティング」で調べてみてください。
未経験からフリーランスを始めて稼ぐ方法は、以下の記事で公開しています。どの職種にも通用する戦略ですので、目を通しておいてください。
最後に
ここまで読んでいただきありがとうございます。フリーランス7年目に突入しただけの若輩者ではありますが、6年の間に嬉しいことも辛いことも経験してきました。ここに書いたことは実際に私が経験したリアルなフリーランスの現実です。
大変なことはありますが、それでもフリーランスになって良かったと本心から言えます。
私はフリーランスという働き方に誇りを持っていて、これからフリーランスを目指す方にはぜひその魅力を知ってもらいたいと思っています。本記事ではあえてフリーランスの厳しい面を書き綴りましたが、それを知っていれば対策を講じられます。これから始まるあなたのフリーランス人生に幸あらんことを。