フリーランスの一番の不安は継続して仕事がもらえるかどうか。案件が終了することはありますが、同じクライアントから別の案件をもらえればとりあえず収入は確保できます。
では、どうやって継続して仕事をもらうか? 5年のフリーランス経験から感じたこと、それは”ホウ・レン・ソウ”です。
無駄な”ホウ・レン・ソウ”は不要という意見もありますが、フリーランスに関して言えば”ホウ・レン・ソウ”は必須!その理由を解説したいと思います。
【目次】
ホウ・レン・ソウとは?
ご存知だとは思いますが、一応”ホウ・レン・ソウ”の意味を説明しておきます。はい、”ホウ・レン・ソウ”は以下の3つの言葉の略です。
ホウ・・・報告
レン・・・連絡
ソウ・・・相談
漢字で書くと”報連相”になります。なんだかお堅い団体の名前のようですが。会社では部下が上司に業務の進捗状況を知らせる重要性を”ホウ・レン・ソウ”という言葉で表現していて、昔から使われているビジネス用語のひとつです。
業務の進捗状況や経過を上司に”報告”する、業務に関する事項は上司に”連絡”する、わからないことは自己判断せず上司に”相談”する。この3つのアクションを習慣づけるため、主に新人の頃に口酸っぱく”ホウ・レン・ソウ”と言われることがあるとかないとか。
上司が部下の仕事ぶりを把握するため、情報共有の目的のため、コミュニケーションを促進させるため、”ホウ・レン・ソウ”を義務付けている会社も多いようです。他にもミスを隠して損害を拡大するのを防ぐためなど、会社や上司にとってリスクマネジメントの役割も持っています。
フリーランスになぜ”ホウ・レン・ソウ”が必要なのか?
さて、ここからが本題。フリーランスが継続して仕事をもらうことと”ホウ・レン・ソウ”は関係しているのか?
フリーランスはクライアントと契約関係にありますが、上司と部下という関係ではありません。なら”ホウ・レン・ソウ”は必要ないのでは?と考えてしまいたくなりますが、クライアントの立場になって考えてください。
フリーランスは基本的に在宅で仕事をしているので、クライアントと直接顔を合わせることは少ないです。打ち合わせなどで会うこともありますが、基本的にはメールやチャットなどで仕事のやり取りをします。
フリーランスがいつ仕事をしているのか、どれくらいのペースで仕事をしているのかわからないので、納期にきちんと納品してくれるのか、進捗状況はどうなのか、クライアントはすごく不安に感じていることでしょう。
ある程度長い付き合いなら信頼関係が生まれてその不安は解消されますが、初めて仕事を依頼する場合や付き合いが浅い場合はまだそこまで信頼関係が生まれていません。
ここで必要になってくるのが”ホウ・レン・ソウ”です。クライアントや案件によりますが、基本的には問題がなければ納品が完了するまで特に連絡はしません。
しかし、体調を崩したり、予想以上に時間がかかったりする場合もあります。納期に遅れる可能性がある、ギリギリになる可能性がある場合、進捗状況をクライアントに報告・連絡しておく方が良いです。
もちろん約束した納期に間に合うのが一番ですが、実際に仕事に取りかかってから問題が発覚することや、クライアントの想定ミスで無茶ぶりになってしまうこともあります。
分からないことは早めに”相談”or”確認”すべし
“相談”も大事で、分からないまま進めて後でやり直しになる事態はフリーランスもクライアントも避けたいことです。聞きにくいことや聞くべきかどうか迷うこともありますが、クライアントからすれば”相談”してくれた方が安心なはずです。
私はクライアントの意図が分かりにくい時は必ず確認するようにしています。基本的に仕事内容はExcelに記載された通りに進めますが、解釈に迷う指示もありますが、そういう時は自分なりに読解するように努め、どうしても解釈に迷う時はクライアントに確認をします。
クライアントの意図を正しく理解していなければ、納品物にズレが生じてしまいます。納品物のクオリティを上げるためには、クライアントの意図を正確に理解することが必要です。
私の場合、クライアントととはメールかチャットで連絡をとります。メインで仕事をいただいているクライアントとはチャットツールの「ChatWork(チャットワーク)」でやり取りしていて、日中にメッセージを送ればだいたいすぐに返信をいただけます。
メールだけでやり取りしているクライアントもありますが、やっぱりリアルタイムで連絡を取れるチャットツールの方が便利ですね。「ChatWork」はスマホアプリもあるので、外出時はスマホを通して連絡をしたり、仕事の依頼を確認したりしています。
ちなみに「ChatWork」は無料プランがあるので、アカウントを作るだけならタダです。無料プランのストレージ容量は5GBまでで、限界に達しているのですが、クライアントが加入している有料プランに参加させていただいているので私の方は費用はかかっていません。
そうしたことをきちんと対応してくださるクライアントなので、とてもありがたいです。
リンク:ChatWork
在宅ワークこそ”ホウ・レン・ソウ”が必要
遠隔でやり取りをする在宅ワークは、”ホウ・レン・ソウ”で成り立っていると言っても過言ではありません。同じクオリティで仕事をしてくれるフリーランスなら、ほとんど”ホウ・レン・ソウ”をしてくれない人より、きちんと連絡・相談してくれる人の方がクライアントに信頼してもらえる可能性が高くなります。
信頼は仕事を継続してもらうために不可欠で、そのためには”ホウ・レン・ソウ”は欠かせません。
何度か案件の解釈ミスでやり直しをしたことがあるのですが、振り返ってみる確認をしていれば防げたことでした。納期が迫っていて確認より仕上げなければという焦りがあったり、「ま、いいか」という気持ちがあるとミスが起こります。
クライアントの説明不足でやり直しの納品物にも報酬を支払っていただけることもありますが、自分のミスで誤解釈した場合は時間も労力もロスし、クライアントからの信頼にも影響するでしょう。
私は思い込みが強い性格のせいかライターのくせに誤解釈することが多く、仕事に取りかかってから「あ、違うわ!」と気づくことが結構あります。クライアントに確認の連絡をして説明してもらってから、「あ、そっか…」と誤解釈していたことに気づいて恥ずかしい思いをすることも…。
最近は誤解釈が減りましたが、言葉だけだとどうしても行き違いが起こりやすいです。そうした行き違いを減らすために、どうしても不安な時はクライアントに確認の連絡を入れるようにしています。
フリーランスで生計を立てるのであれば、クライアントの利益を考えることが大事です。その理由は以下の記事で詳しく解説しています。
たまに”ホウ・レン・ソウ”に雑談を混ぜる
余談ですが、ある程度クライアントと打ち解けられる関係になったら、たまに”ホウ・レン・ソウ”に雑談を混ぜるのも関係性を築く上で大事なことです。ビジネスの関係なので友達に送るようなメッセージは送りませんが、ちょっとした雑談はコミュニケーションを円滑にします。
たとえば記事で懐かしいアニメや漫画を例に出したり、案件に関係するワードが入っていることがあれば、「世代なので昔観ていました」とか、「懐かしいですよね」とか、”ホウ・レン・ソウ”の時に雑談を入れたりします。
それだけの用件でそういったメッセージは送りませんが、案件的にOKな内容かを確認する時などに雑談を織り交ぜます。
雑談で自分の趣味や知識がある分野を知ってもらうと、別の案件につながることもあります。フリーランサーは就職と違って面接で直接話しをして採用してもらうわけではないですし、履歴書を送ることもほとんどないので、”ホウ・レン・ソウ”の時に軽いジャブ程度に自分の情報を織り交ぜるのも作戦のひとつです。
クライアントには雑談の中でお互い猫好きということが発覚したので、ために仕事に関係なく猫の話をすることがあります。これで別の仕事につながれば、猫が仕事を持ってきた、ということになるんでしょうねw
まとめ
フリーランスが継続して仕事をもらうには”ホウ・レン・ソウ”が大事、ということをお分かりいただけたかと思います。
在宅ワークはその働き方の特性上、報告・連絡・相談が特に必要になってきます。クライアントに「きちんと連絡をしてくれる、ちゃんとした人だ」と安心してもらえれば、次の仕事につながるでしょう。
私がクライアントの立場なら、”ホウ・レン・ソウ”をしてくれない人に依頼するのは不安に感じます。”ホウ・レン・ソウ”は基本的なことですし、難しいことでもないので、クライアントに信頼してもらうためにも身につけておきましょう。